介護を始めることになったら。慌てないための準備と心構え

生きていれば誰しもが年齢を重ねていきます。元気なままで生活する方は少なく、要介護状態になって人生の終焉を迎えるケースも少なくありません。
また、介護は前触れもなく突然始まります。その時家族として、慌てないためにはどのようなことを情報として知っておくと良いのでしょうか。ここでは突然の介護にも混乱しないように、ご家族が前もって知っておきたい情報や心構えについてご紹介していきます。

車いすに乗るご高齢者とそれを押す女性

統計からみる年齢別介護人口

介護がいつから始まるのかは個人差が大きいため、ここでは年齢別に介護を必要としている方の割合を見ていきます。

65歳~74歳の前期高齢者では要介護率は4%、75歳以上では31%、85歳以上では50%以上、90歳以上では70%を超えてしまいます。そのため、75歳以上になれば3人に1人は要介護認定を受けていることがわかります。
(参照元:http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/contents/tokushu/kaigohoken5/01_04.html

介護が必要になるタイミング

介護が必要になる時期は人それぞれ異なります。
例えば事故にあって骨折をした、脳梗塞で倒れて片麻痺になってしまった、転倒をして足を骨折したなど予測不可能な事態により、その日から介護が始まることもあります。

しかし、認知症の発症など、場合によっては予測が立てられることもあります。
認知症の中でもアルツハイマー型認知症の進行は、個人差がありますが、比較的ゆるやかな速度で進行するため、要介護状態になるまである程度の期間があります。ただし、ご高齢のご家族と別居をしている場合や、頻繁に会うことができない場合は、様子の変化に気づかないことがあるので注意が必要です。

もし頻繁に会うことができない場合は、近隣住民の方と連携し、何かあった場合は連絡をもらえるように手配しておくことをお勧めします。

アルツハイマー型の認知症は適切な治療と対処をすることによって、ある程度進行を遅らせることができるので、早期発見が何より重要となります。

今から集めておきたい情報

今から集めておきたい情報


介護が始まると様々な情報や知識が必要となります。介護保険制度や介護サービス事業所、介護施設の種類など、基本的な情報だけでも収拾し、活用することによって介護者の負担が軽減されることもあります。

1,介護保険の情報

介護サービスは介護保険制度で成り立っており、医療保険と同様に国が管轄している保険制度です。この制度をしっかりと把握しておくことによってスムーズに介護サービスを受けることができます。

介護が必要になった際、まず知っておきたいことは、要介護認定を受ける準備です。介護保険のサービスを利用するためには必ず要介護認定を受ける必要があるので、ここでは知っておきたいポイントを簡単に説明します。

・要介護認定は本人かご家族、もしくはケアマネジャーからの申請が必要です。要介護状態になれば自動的に介護認定を受けられるわけではなく、申請が必須になります。
・申請は、お住まいの市区町村の役所(保険者)にします。
・申請をして受理されれば要介護認定調査があります。実際に調査員に本人の様子を見てもらい、心身の状況などを確認したり、ご家族への聞き取り調査、主治医の意見書をもとに市区町村の介護認定審査会が要介護度を判定していきます。
・申請から認定まではおおよそ1か月かかるため、早めの申請をお勧めします。

ただし、介護サービス自体は、申請日に遡って利用することができます。

要介護認定に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
要介護認定とは?介護保険の認定調査を受ける際のポイント
http://www.azumien.jp/contents/industry/00008.html

2,介護サービス事業所の種類

ここでは、代表的な在宅サービスについてご紹介していきます。

訪問介護
自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問をして家事援助や身体介護を行います。

通所介護
日中施設に通い、入浴や食事、一部リハビリを受けることができます。

短期入所生活介護
短期間施設に宿泊し、入浴や食事、一部リハビリを受けることができます。

訪問看護
看護師(准看護師)が自宅に訪問をして看護を行います。

訪問リハビリ
リハビリの専門職が自宅を訪問してリハビリを提供します。

福祉用具貸与
車いすなどの福祉用具のレンタルを行います。

3,介護施設の種類

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
常に介護が必要な方に食事、入浴、排せつなどの日常生活支援や機能訓練などのサービスを提供します。費用は所得によりますが、比較的少ない費用負担で入居することができます。要介護3以上の方が利用できます。

介護老人保健施設
リハビリや医療が充実している施設です。3ヶ月ごとに退所あるいは入所継続の判定が行われます。基本的には長期間の入居はできません。要介護1以上の方が利用できます。

有料老人ホーム
費用は施設ごとに異なり、平均すると特別養護老人ホームに比べて高い価格帯で設定されています。介護付・住宅型などの種類のほか、入居時の要件は施設により異なります。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住・サ付き)
近年、増加している新しい施設の形です。見守りサービスや食事提供などのサービスが付いています。自立または軽度の要介護の方向けで要介護が高くなれば退去を迫られる場合もあります。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
要支援2以上で認知症の方が少人数(5〜9人)で生活をする施設です。基本的に居住地(住民票のある地域)のグループホームしか入居できません。

今からご家族とコミュニケーションをとっておきたいこと

普段、介護についてご家族で話す機会はなかなかないかと思いますが、介護されることになる方が元気なうちから、お身体のことや考えを知っておくことが大切になります。

例えば、要介護になればどのような生活をしたいのか聞いておきましょう。人によっては迷惑をかけたくないから施設に入れてほしい、最期まで自宅で過ごしたいなどそれぞれ意見が違うかと思います。

また、普段はどこの病院にかかっているのか、持病を持っているのか、収入や貯金、友人関係などを聞いておくと、いざ介護が必要になった時に役立ちます。

ライター:小林 由紀

介護に携わって10年以上を有する。ヘルパー2級からスタートし、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員を取得している。専門的でありながら現場の経験に基づいた分かりやすい記事を執筆中。

介護を始めることになったら。慌てないための準備と心構え

Facebookページで
最新記事配信!!

あなたにおすすめの記事

介護の基本のおすすめ記事