認知症のことを考える「世界アルツハイマーデー/世界アルツハイマー月間」

「世界アルツハイマーデー」という日があるのをご存知でしょうか。1994年に国際アルツハイマー病協会が第10回国際会議を開催し、会議の初日である9月21日を「世界アルツハイマーデー」と宣言しました。今回は、アルツハイマー病等に関する意識を高めて認知症の方やご家族に援助と希望をもたらすことを目的とした「世界アルツハイマーデー/月間」についてお伝えします。

「世界アルツハイマーデー/月間」とは

「世界アルツハイマーデー/月間」とは

1994年に国際アルツハイマー病協会(ADI)が、世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定しました。また、9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、認知症への正しい理解が進むことを目的にさまざまな啓発活動を行っています。


日本では公益社団法人「認知症の人と家族の会」が中心となり、ポスターの作成やリーフレットの配布、動画配信、記念講演会などを行っています。


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国際アルツハイマー病協会(ADI)とは

国際アルツハイマー病協会(Alzheimer's Disease International)は、世界各国にある認知症関連団体の連合組織です。
各国における認知症関連団体の設立と活動の推進を支援し、認知症に関する世界的な関心を高めることを目的としています。


国際アルツハイマー病協会の主な活動

・年次国際会議
・加盟組織支援
・アルツハイマーデー/月間イベント
・本人支援
・調査研究
・情報と知識の提供
・姉妹団体提携支援
・アルツハイマー大学
・認知症の人と家族の権利擁護


国際アルツハイマー病協会(ADI)国際会議

国際アルツハイマー病協会(ADI)は、世界各地で国際会議を開催しています。
毎年1回開かれるこの会議は、国際アルツハイマー病協会の重要な活動のひとつです。2004(平成16)年と2017(平成29)年は日本(京都)で開催されました。

全国各地の活動や取り組み

全国各地の活動や取り組み

「世界アルツハイマー月間」である9月には、行政、福祉・医療にかかわる団体や企業、NPOなどによるさまざまなイベントが全国で催されます。
2022(令和4)年は、認知症サポーター養成講座や認知症カフェの実施、相談会、体験会、声かけ訓練など、約4,100ものイベント等が行われました。 また、世界アルツハイマーデー/月間に合わせて、各地のタワーや庁舎、お城などがオレンジ色(柿色)にライトアップされます。


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なぜオレンジ色(柿色)なの?

なぜオレンジ色(柿色)なの?

オレンジ色(柿色)は日本の認知症支援のシンボルカラーで、認知症サポーターの証「オレンジリング(ブレスレット)」に使われています。では、なぜオレンジ色(柿色)なのでしょうか。

江戸時代の陶工・酒井田柿右衛門が夕日に映える柿の実の色からインスピレーションを得て作り出した赤絵磁器が世界的な名声を誇ったことから、この柿色のように「日本のオレンジリングが世界のいたるところで認められるように」という思いが込められています。 また、温かさを感じさせるオレンジ色(柿色)は、「手助けします」という意味をもつといわれています。


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認知症への理解を促進するために、私たち個人ができることもあります。例えば、認知症に関心をもつ、リーフレットを読む、認知症に関する正しい情報をシェアする、イベントや講演会に参加するなどです。公益社団法人「認知症の人と家族の会」は、子どもたちが認知症について楽しく学べる「認知症こどもサイト」も公開しています。

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

認知症のことを考える「世界アルツハイマーデー/世界アルツハイマー月間」

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