生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)とは?目的と役割

2024/06/05

「地域支え合い推進員」とも呼ばれる生活支援コーディネーター。今回は地域で高齢の方を支援するために設置された「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」についてお伝えします。

生活支援コーディネーターとは

生活支援コーディネーターとは

生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)とは、高齢になっても住み慣れた場所で安心して暮らせるよう、地域で支え合う体制づくりを進める人のことです。
高齢化の進展に伴い、ひとり暮らしやご夫婦のみの高齢者世帯、認知症のご高齢者が増加しています。
地域社会でご高齢者の生活を支えるためには、介護保険制度のサービスだけでなく、地域包括ケアシステム(住まい・医療・介護・予防・生活支援のサービスを地域で一体的に提供するシステム)の構築が必要です。
そこで、2015(平成27)年の介護保険法改正により「生活支援体制整備事業」が創設され、市町村ごとに生活支援コーディネーターと協議体(話し合いの場)が設置されました。

▼関連記事
地域で高齢者の暮らしを支える「地域包括ケアシステム」とは?
総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)とは?サービス内容と利用方法

生活支援コーディネーターの目的と役割

生活支援コーディネーターとは

生活支援コーディネーターの目的

生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)は、地域でご高齢者の生活支援・介護予防サービスの体制づくりを進めることを目的として設置されました。
ボランティアやNPO法人、民間企業、社会福祉法人、社会福祉協議会、介護サービス事業者、民生委員などと連携して、さまざまな支え合いの体制づくりに取り組んでいます。

生活支援コーディネーターの主な役割

生活支援コーディネーターには、第1層、第2層、第3層があります。

第1層 市町村区域が対象
主に資源開発が中心
第2層 日常生活圏域(中学校区域等)が対象
第1層の機能の下で具体的な活動を展開
第3層
(※事業の対象外)
サービスの提供主体
利用者と提供者をマッチングする機能

〇資源開発
・地域に不足しているサービスの把握と創出
・サービスの担い手の発掘と養成
・元気なご高齢者などが担い手として活動する場の確保

〇ネットワークの構築
・関係者間の情報共有
・サービス提供主体間の連携の体制づくり

〇ニーズと取り組みのマッチング
・地域の支援ニーズとサービス提供主体の活動をマッチング

生活支援コーディネーターになるには

生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)になるために必要な資格要件は特にありませんが、厚生労働省は「地域における助け合いや生活支援・介護予防サービスの提供実績のある者、または中間支援を行う団体等であって、地域でコーディネート機能を適切に担うことができる者」としています。
また、「市民活動への理解があり、多様な理念をもつ地域のサービス提供主体と連絡調整できる立場の者であって、国や都道府県が実施する研修を修了した者が望ましい」としています。

なお、生活支援コーディネーターの配置場所は、市町村によって異なります。詳しくはお住まいの自治体のホームページなどでご確認ください。

▼関連記事
地域福祉向上のためにさまざまな活動を行う「社会福祉協議会(社協)」
「地域包括支援センター」ってどんなところ? その役割と業務内容

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)とは?目的と役割

Facebookページで
最新記事配信!!

関連記事

介護の基本のおすすめ記事