認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)とは

「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」とは、認知症の方を対象とした通所介護(デイサービス)のことです。今回は、認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)のサービス内容や特徴などについてお伝えします。

「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」とは

「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」とは

認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)は、地域密着型介護サービスのひとつです。
施設に通う認知症の方に専門的なケア日帰りで提供し、可能なかぎり自立した在宅生活を送ることができるよう支援します。
また、ご自宅にこもりがちな方の社会的孤立感の解消心身機能の維持、介護するご家族の身体的・精神的な負担軽減なども目的としています。


「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」のサービス内容

  • ・食事や入浴、排せつなどの介護
    ・生活等に関する相談や助言
    ・機能訓練(リハビリテーション)
    ・健康状態の確認
    ・口腔機能向上サービス    など

「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」の対象者

以下のいずれにも該当する方が対象となります。

  • 認知症の診断を受けた方
    要介護1~5の認定を受けている方
    ・事業者が所在する市区町村にお住まいの方

地域密着型サービスのひとつであるため、原則として事業者が所在する市区町村に居住していることが利用条件となります。
要支援1・2の方は「介護予防認知症対応型通所介護」を利用することができます。

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通所する施設の種類

認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)を行う施設には「単独型」「併設型」「共用型」があります。

単独型
特別養護老人ホームなどの社会福祉施設等(特別養護老人ホーム・養護老人ホーム・病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院・社会福祉施設・特定施設)に併設されていない事業所

併設型
特別養護老人ホームなどの社会福祉施設等に併設されている事業所

共用型
指定認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)・指定地域密着型特定施設・指定地域密着型介護老人福祉施設の居間または食堂、共同生活室において認知症対応型通所介護(認知症対応型通所介護)を行う事業所

※介護保険の各サービスのいずれかについて3年以上の実績を有している事業所・施設であることが要件


自己負担額の目安(1日あたり)※負担割合が1割の場合

認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)の利用料は、事業所の形態や利用時間によって設定されています。

単独型 併設型 共用型
3時間以上4時間未満 要介護1 540円 489円 265円
要介護2 594円 538円 275円
要介護3 650円 586円 284円
要介護4 705円 636円 293円
要介護5 759円 685円 303円
4時間以上5時間未満 要介護1 566円 512円 277円
要介護2 623円 563円 288円
要介護3 681円 615円 297円
要介護4 738円 666円 307円
要介護5 795円 717円 317円
5時間以上6時間未満 要介護1 853円 767円 443円
要介護2 945円 849円 458円
要介護3 1,035円 931円 475円
要介護4 1,127円 1,011円 491円
要介護5 1,219円 1,094円 507円
6時間以上7時間未満 要介護1 875円 786円 455円
要介護2 969円 871円 470円
要介護3 1,061円 955円 487円
要介護4 1,156円 1,037円 503円
要介護5 1,250円 1,122円 519円
7時間以上8時間未満 要介護1 989円 889円 520円
要介護2 1,097円 984円 539円
要介護3 1,204円 1,081円 557円
要介護4 1,312円 1,177円 575円
要介護5 1,420円 1,272円 595円
8時間以上9時間未満 要介護1 1,021円 917円 537円
要介護2 1,132円 1,015円 556円
要介護3 1,242円 1,115円 575円
要介護4 1,355円 1,215円 594円
要介護5 1,465円 1,314円 615円

※ 一定の所得がある場合は、2割または3割負担となります。
※ 送迎に係る費用は上記に含まれています。
※ 日常生活費(食費・おむつ代等)など別途必要になります。
※ お住まいの地域や事業所のサービス提供体制・内容などによって自己負担額が異なります。
詳しくは担当ケアマネジャーや市区町村の窓口、地域包括支援センターにお問い合わせください。


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「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」の基準等


利用定員

単独型・併設型
単位ごとの利用定員は12名以下

共用型
利用定員は、認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)はユニットごと、
地域密着型特定施設等は各施設ごとに、1日当たり3人以下


人員基準

単独型・併設型
生活相談員 1人(事業所のサービス提供時間に応じて1以上配置)
看護職員または介護職員 2人(1人+単位のサービス提供時間に応じて1以上配置)
機能訓練指導員 1人以上
管理者 厚生労働大臣が定める研修を修了している者

共用型
従業者の員数 認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)等の各事業ごとに規定する従業者の員数を満たすために必要な数以上
管理者 厚生労働大臣が定める研修を修了している者

「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」の特徴

「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」の特徴

専門的な認知症ケアの提供

認知症の方のみを対象としているため、専門スタッフによる認知症ケアを受けることができます。
認知症の方が抱える不安や混乱などを理解し、「その人らしさ」を大切にした適切なケアを行うことによって、BPSD(行動・心理症状)が和らぐこともあります。


小規模で個別対応も可能

認知症の方は環境の変化に適応することが難しく、集団行動などが苦手な方もいらっしゃいます。
認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)は、最大定員12名と小規模で、人員配置も手厚くなっています。そのため、お一人おひとりのペースに合わせた個別対応も可能です。


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認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)の施設は、認知症の方が家庭的な環境のなかでゆったり穏やかに過ごせるよう配慮されています。機能訓練やレクリエーションなどのプログラムも、認知症の方に適した内容になっていることも特徴です。
認知症の方が一般のデイサービスになじめない場合などは、認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)のご利用を検討するのも良いかもしれません。



ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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