高齢者の社会参加を促進する「就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)」

高齢の方の社会参加や就労は、生きがいづくり、健康の維持・増進、フレイル対策、介護予防などにつながります。いくつになっても役割を持って地域で活躍できることは、誰もが安心して暮らせる「地域共生社会」を実現するための大切な要素でしょう。今回は、高齢者の社会参加を促進するために配置される「就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)」について解説します。

就労的活動支援コーディネーターとは

就労的活動支援コーディネーターとは

就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)の配置事業は、介護保険法に基づく地域支援事業の生活支援体制整備事業のひとつとして、2020(令和2)年度に創設されました。
就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)は、健康寿命の延伸や介護予防などにつながるよう、役割がある形での高齢者の社会参加等を促進します。 就労的活動支援コーディネーターの配置先や市町村ごとの配置人数などは限定されておらず、地域の実情に応じて配置できるようになっています。

就労的活動支援コーディネーターになるための要件

就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)になるために必要な資格は特にありませんが、地域の産業に精通していること、または中間支援を行う団体等であり、地域でコーディネート機能を適切に担えることが要件となっています。
また、生涯現役社会の実現や市民活動への理解がある方、多様な理念をもつ地域のサービス提供主体や民間企業と連絡調整できる立場の方が望ましいとされています。

就労的活動支援コーディネーターの活動内容例

・就労的活動の場を提供する民間企業・団体等と就労的活動をしたい事業者等とをマッチングする
・ご本人のニーズに合った活動をコーディネートする
・多様な社会参加を促進する
・就労的活動に関する説明会などを行う
・民間企業や団体との関係性を構築する
・就労的活動の場を開拓する

就労的活動とは

就労的活動とは

就労的活動とは、高齢の方の特性希望に合った活動のことです。役割を持ち、生きがいを感じことができる活動が、地域社会への貢献にもつながります。
一般的な就労とは異なり、有償または無償のボランティアという形で参加するため、ご自身の得意分野や趣味、経験、資格などを活かしたり、興味のあることにチャレンジしたりすることができるでしょう。また、心身の健康状態や都合の良い時間に合わせて、無理なく活動することも可能です。
楽しみながら社会参加することで、介護や認知症などの予防効果も期待できます。企業・団体にとっても、ちょっとした手伝いや軽作業をしてもらえる、地域とのつながりが深まるなどのメリットがあるといわれています。

就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)を配置している自治体はまだまだ少ないのが現状ですが、「地域の人の手を貸してほしい」という企業や団体、「地域の役に立ちたい」「社会とのつながりを保ちたい」と思っている高齢の方は、一度確認してみてはいかがでしょうか。

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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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