今後も少子高齢化の進行が見込まれる中、高齢の方がさまざまな分野で活躍できる環境づくりが進められています。今回は、高齢の方の生きがいや健康づくり、介護予防などにもつながる社会参加と就業についてお伝えします。
高齢者の社会参加と就業

高齢者の社会活動への参加状況
内閣府の調査によると、65歳以上の方のうち、51.6%が社会活動に参加しています。
活動内容は、健康・スポーツ(27.7%)、趣味(14.8%)、地域行事(13.2%)などでした。
高齢者の就業状況
総務省の「労働力調査」によると、2023(令和5)年における65歳以上の就業者数と就業率は、ともに上昇傾向にあります。
65歳以上の就業者数は、20年連続で前年を上回り、過去最多の914万人となりました。
65歳以上の就業率(65 歳以上人口に占める65 歳以上の就業者の割合)は25.2%で、主要国の中でも高い水準にあります。
年齢階級別にみると、65~69歳は52.0%、70~74歳は34.0%、75歳以上は11.4%と、いずれも過去最高となりました。
65歳以上の就業者を主な産業別にみると、最も多いのは卸売業,小売業(132万人)、次いで医療,福祉(107万人)、サービス業(104万人)、農業,林業(99万人)などとなっています。
10年前と比較すると、「医療,福祉」は63万人増加し、10年前の約2.4倍となりました。
なお、経済的な暮らし向きについて「心配がない」(「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」の計)と感じている方の割合は、全体で68.5%となっています。(内閣府「高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査 令和3年度」)
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社会活動に参加する重要性

「社会活動に参加して良かったと思うこと」をみると、生活に充実感ができた(48.8%)が最も高く、次いで、新しい友人を得ることができた(39.1%)、健康や体力に自信がついた(34.6%)などとなっています。(内閣府「令和4年版高齢社会白書」)
65歳以上で何らかの社会活動に参加した方のうち、生きがいを「十分感じている」「多少感じている」と回答した方は84.4%となりました。

出典:内閣府の「令和6年版高齢社会白書」
また、現在収入のある仕事をしている60歳以上の方については、約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答しています。
「70歳くらいまで」働きたい、またはそれ以上という回答と合計すると、約9割の方が高齢になっても高い就業意欲を持っていることがわかりました。(内閣府「高齢者の経済生活に関する調査 令和元年度」)
高齢の方が、ボランティアや就労、趣味などの社会参加活動を通じて生きがいを持つことは、心身の健康維持、QOL(生活の質)の向上、介護予防につながるといわれています。
ただし、無理をすると逆効果になってしまう可能性もありますので、興味があること、やってみたいこと、得意なこと、気軽に楽しめることから始めてみてはいかがでしょうか。
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家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。
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