身近な地域で福祉活動を推進する「福祉活動専門員」

社会福祉協議会には、さまざまな専門職が配置されています。「福祉活動専門員」もそのうちのひとつです。
福祉活動専門員は、市区町村の区域で、地域福祉向上のための活動を推進する役割を担っています。
今回は、少子高齢化や人口減少が進むなかで、ますますニーズが高まると予想される福祉の専門職「福祉活動専門員」について解説します。

福祉活動専門員とは

福祉活動専門員とは

社会福祉協議会には、民間社会福祉活動の組織化、援助、育成などに当たる「福祉活動指導員」「企画指導員」が設置されています。

「福祉活動専門員」は市区町村の社会福祉協議会、「企画指導員」は全国社会福祉協議会、「福祉活動指導員」は都道府県と指定都市の社会福祉協議会に所属して います。

日本は少子高齢化や人口減少が進み、人と人とのつながりが薄れつつあります。
また、老老介護やダブルケア、8050問題、ひきこもり、虐待など、さまざまな分野の課題が絡み合って複雑化し、包括的な支援を必要とする人が増えています。
このような状況を踏まえて、国が掲げているのが、制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超え、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく「地域共生社会」です。
福祉活動専門員は、身近な地域で、高齢の方や障がいのある方、子どもなどへの支援のほか、社会福祉活動に関する調査、企画、連絡調整、広報や指導、その他のさまざまなサポートを行っています。

▼関連記事:
地域福祉向上のためにさまざまな活動を行う「社会福祉協議会(社協)」
増加している「老老介護」とは?知っておきたいサポート体制
育児と介護が重なる「ダブルケア」とは?その実態と対策
さまざまな要因による「8050(はちまる・ごうまる)問題」の現状と支援体制
大人の代わりに家事やご家族のケアなどを担う「ヤングケアラー」

福祉活動専門員の仕事内容

福祉活動専門員の仕事内容
  • ・新しい福祉活動の企画や実施
  • ・地域福祉活動の立ち上げ支援
  • ・地域福祉の担い手づくり
  • ・住民が地域福祉活動に参加するための支援
  • ・福祉活動の理解促進に向けた啓発
  • ・地域福祉ネットワークづくりの支援
  • ・地域の課題の把握と解決のための調査
  • ・高齢の方、子ども、障害のある方への支援 など

福祉活動専門員になるには

福祉活動専門員になるためには、社会福祉士、または社会福祉主事任用資格を取得する必要があります。

社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)」によって定められた国家資格です。
福祉系大学(指定科目履修)や社会福祉士指定養成施設などを卒業し、社会福祉士国家試験に合格・登録することで取得できます。

社会福祉主事とは、福祉事務所の現業員として任用される人に求められる任用資格で、社会福祉施設職員などの資格に準用されています。
社会福祉主事任用資格は、養成機関や講習会を修了すると得られます。
また、大学や短期大学で、厚生労働大臣が指定する科目のうち3つ以上を履修し、卒業することでも取得できます。

▼関連記事:
「社会福祉士」と「介護福祉士」の違いとは?仕事内容や役割を解説
さまざまな福祉の現場で活かせる資格のひとつ「社会福祉主事任用資格」

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

身近な地域で福祉活動を推進する「福祉活動専門員」

Facebookページで
最新記事配信!!

関連記事

介護の基本のおすすめ記事