高齢の方がかかりやすい帯状疱疹(たいじょうほうしん)と合併症

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、高齢者がかかりやすい病気のひとつで、70歳代で発症する方が最も多いといわれています。また、高齢になると「帯状疱疹後神経痛」という合併症を起こす可能性が高くなります。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは

帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘(水ぼうそう)と同じ「水痘帯状疱疹ウイルス」が原因で起こります。
水痘帯状疱疹ウイルスは、水痘(水ぼうそう)が治った後も体内に残ります。二度と症状を引き起こさないこともありますが、加齢や疲労、ストレスなどにより免疫が低下すると再び活動し始めることがあります。

活性化した水痘帯状疱疹ウイルスは神経を伝わり皮膚に出てきて、帯状疱疹を引き起こします。
ほとんどの場合、痛みを伴う発疹が体の片側だけにみられます。

帯状疱疹の主な症状

・痛み

体の左右どちらか一方に、チクチク、ピリピリ、ズキズキといった痛みが起こります。

・赤い発疹

痛みを感じる部分に帯状(おびじょう)の赤い発疹(ほっしん)が現れます。

・水ぶくれ

発疹部分が水ぶくれに変化し、水ぶくれはやがて破れてただれた状態になり、その後かさぶたに変わります。


帯状疱疹が重症になると、顔面の麻痺、めまい、難聴などの症状が現れる場合があります。

帯状疱疹後神経痛(PHN)とは

帯状疱疹の高齢者

帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹(たいじょうほうしん)の合併症のひとつです。
一般的に、帯状疱疹の痛みは、赤い発疹や水ぶくれが治まるにつれて軽くなりますが、帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行すると、皮膚の症状が治った後も痛みが残ります。
帯状疱疹の患者さんの約2割が発症し、痛みは数カ月から数年にわたって持続することがあります。 加齢とともに帯状疱疹後神経痛に移行するリスクが高いとされていますので、高齢の方は特に注意が必要です。

帯状疱疹の治療

帯状疱疹の治療には、抗ウイルス薬が使用されます。早期の治療によって合併症の予防効果が期待できるといわれています。
痛みに対しては、鎮痛剤などが使用されます。

高齢の方が帯状疱疹にかかると重症化しやすいため、早期発見と早期治療が重要です。
介護をしている方は、入浴介助やトイレ介助のときに、高齢者の皮膚の状態をさりげなく観察しましょう。
皮膚に痛みを感じたり、違和感を覚えたりしたら、早めに医療機関を受診しましょう。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)の予防

ワクチンを接種する

50歳を過ぎた方は、帯状疱疹の予防接種を受けることができます。
2025(令和7)年度からは、65歳の方などを対象とした帯状疱疹ワクチンの定期接種が開始されます。

免疫力を高めておく

免疫力を低下させないために、栄養バランスのとれた食事や適度な運動を心がけましょう。
また、十分な睡眠をとり、ストレスをためないようにすることも大切です。

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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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