住み慣れた地域で自分らしく暮らすための地域密着型サービス

団塊の世代が75歳以上となる2025年までに、国が構築を目指している「地域包括ケアシステム」。地域密着型サービスは、この地域包括ケアシステムを支える重要なサービスです。
今回は、住み慣れたご自宅や地域で自分らしく暮らすための地域密着型サービスについてお伝えします。

地域密着型サービスとは

地域密着型サービスとは

地域密着型サービスは、ご高齢者が介護が必要な状態になっても、可能なかぎり住み慣れたご自宅や地域で生活を続けられるよう支援を行うサービスです。
要介護1〜5の方が利用できる「地域密着型介護サービス」と、要支援1・2の方が利用できる「地域密着型介護予防サービス」があります。

地域密着型サービスは、2006年(平成18年)4月の介護保険法の改正により創設されました。
創設当初のサービスは6種類でしたが、2012年(平成24年)に「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」と「看護小規模多機能型居宅介護(旧称:複合型サービス)」が加わり、2016年(平成28年)には「地域密着型通所介護(小規模デイサービス)」が加わりました。

現在は以下の9種類(介護予防を含めて12種類)のサービスがあります。

地域密着型介護サービス
(要介護1〜5の方)
地域密着型介護予防サービス
(要支援1・2の方)
◯ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
◯ 夜間対応型訪問介護
◯ 認知症対応型通所介護
◯ 小規模多機能型居宅介護
◯ 看護小規模多機能型居宅介護
◯ 認知症対応型共同生活介護
◯ 地域密着型特定施設入居者生活介護
◯ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
◯ 地域密着型通所介護
◯ 介護予防認知症対応型通所介護
◯ 介護予防小規模多機能型居宅介護
◯ 介護予防認知症対応型共同生活介護

※各サービスにより利用要件は異なります。



地域密着型サービスの特徴

地域密着型サービスの特徴

市町村が指定・監督を行う

サービス事業者の指定や監督は、市町村が行います。
地域の特性に応じたサービスが提供されるため、お住まいの市町村によってサービスの種類や内容は異なります。

市町村に居住する方が利用できる

地域密着型サービスの利用対象者は、原則として事業者が所在する市町村に居住する方のみです。
住み慣れた地域で、ご家族やご近所の方々との交流を保ちながら生活を続けることができます。

柔軟なサービスが提供できる

規模の小さい施設などで、利用する方のニーズに沿った柔軟なサービスが提供できると期待されています。

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地域密着型サービスの種類と特徴

地域密着型サービスの種類と特徴

定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間地域巡回型訪問サービス)

定期巡回は、短い時間のケア(トイレ介助・お薬の管理など)を1日に複数回受けることができます。
24時間365日、定額でケアプランに基づいた定期巡回のほか、急な体調不良などの緊急時には、本人などの通報により必要に応じて訪問介護や訪問看護を受けるなど、訪問介護と訪問看護を一体的に提供するサービスです。ひとり暮らしの方や退院直後の方などが対象となります。

あずみ苑では、「グランデ柳沢」と「ラ・テラス庄和」にて上記のサービスを提供しています。

あずみ苑 グランデ柳沢

あずみ苑 ラ・テラス庄和

夜間対応型訪問介護

訪問介護員(ホームヘルパー)が、夜間帯にご自宅を訪問して介護サービスを提供します。
「定期巡回」と「随時対応」の2種類があります。夜間帯の在宅生活に不安がある方などが対象となります。

認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)

認知症の方のみを対象としたデイサービスです。定員が12人以下の少人数制で、より専門的なケアを受けることができます。
※要支援1・2の方は「介護予防認知症対応型通所介護」が利用できます。

小規模多機能型居宅介護

利用する方の選択に応じて、施設への「通い」を中心に、短期間の「宿泊」やご自宅への「訪問」を柔軟に組み合わせることができます。
同じ事業所でさまざまなサービスを受けられるため、顔なじみのスタッフに対応してもらえることがメリットです。
ひとり暮らしの方や退院直後の方などが対象となります。
※要支援1・2の方は「介護予防小規模多機能型居宅介護」が利用できます。

看護小規模多機能型居宅介護(旧称:複合型サービス)

「小規模多機能型居宅介護」のサービスに、看護師などによる訪問看護の機能を組み合わせたサービスです。
医療的なサービスが必要な方が対象となります。
※2015年に「複合型サービス」を「看護小規模多機能型居宅介護」に名称変更しました。

認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

少人数の認知症の方が介護スタッフとともに共同生活を送り、症状の緩和を図っていきます。
1つのユニット定員は9名までとなっており、家庭的な雰囲気の中で安心して暮らせるようにします。
※要支援2の方は「介護予防認知症対応型共同生活介護」が利用できます(要支援1の方は利用できません)。

地域密着型特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)

定員29名以下の小規模な有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム(ケアハウス)です。食事や入浴等の介護、機能訓練などが利用できます。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 (地域密着型特別養護老人ホーム)

定員29名以下の小規模な介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)です。食事や入浴等の介護、機能訓練などが利用できます。

地域密着型通所介護(地域密着型デイサービス)

定員が18名以下の小規模な通所介護(デイサービス)です。日帰りで、介護支援や機能訓練、レクリエーションなどのサービスを利用したい方が対象となります。
※要支援1・2の方は、日常生活支援総合事業(通所型サービス)が利用できます。

地域密着型サービスの利用手順

地域密着型サービスの利用手順

地域密着型サービスの利用を希望する場合は、お住まいの市町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターにお問い合わせください。

要介護(支援)と認定された方は、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)に相談しましょう。
その後、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、事業所と契約をしてサービスの利用が始まります。

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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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