介護離職を防ぐ ~仕事と介護を両立するためにできること~


社会の高齢化にともない、ご家族を介護するために離職・転職する「介護離職者」の数が増えています。そして、その多くは40代~50代の働き盛りの方々です。仕事を続けながら介護を行うためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

「介護離職ゼロ」に向けての取り組み

「介護離職ゼロ」に向けての取り組み

加齢による身体の変化を理解しましょう

介護離職者が年間10万人に達したことから、安倍晋三首相は「介護離職ゼロ」という政策目標を掲げました。厚生労働省が定めた支援制度は下記のとおりです。

  1. ① 介護休業
  2. ② 短時間勤務など所定外労働の短縮等の措置
  3. ③ 介護休暇
  4. ④ 法定時間外労働の制限
  5. ⑤ 深夜業の制限
  6. ⑥ 転勤などの配置に関する配慮
  7. ⑦ 不利益取り扱いの禁止

2025年には団塊世代が75歳を超えるため、介護離職者は今後も増える傾向が続くと予測されています。管理職などの重要な役割を担う人材が介護離職してしまうことは、企業にとっても深刻な問題です。企業側でも、介護に関する情報提供やセミナーなど、仕事と介護の両立のための支援に取り組み始めています。

介護が必要になったときには、まずお勤め先に相談してみましょう。介護休業は、パートやアルバイト等の方でも要件を満たせば取得可能です。また、一定の要件を満たした雇用保険の被保険者の方が介護休業制度を利用した場合は、介護休業給付金の支給を受けることができます。

介護離職を防ぐためにできること

介護離職を防ぐためにできること

仕事と介護の両立をめざして備える

介護は突然に始まって、いつまで続くか分からないものです。継続的な介護には、心身の負担とともに経済的な負担がかかります。そのため、介護に直面しても離職せずに経済的な基盤を維持し、無理なく介護を続けることが大切です。

また、離職して介護に専念することでかえってストレスがたまり、精神的に追い込まれてしまうこともあります。一時的にでも介護から離れて仕事に集中することは、介護疲れの慢性化を防ぐためにも重要です。

介護の状況は千差万別で、介護のかたちも同居・近居・遠距離などさまざまでしょう。
親と離れて暮らしている場合は、親の変化にいち早く気づいてくれる方(親の主治医や友人、ご近所の方など)とコミュニケーションをとっておくことも大切です。また、近くにある地域包括支援センターや介護保険以外のサポートについて確認しておくと安心できます。

仕事と介護の両立をめざして備える

親の老後や介護について気にしつつも「なかなか言い出しにくい」という方は多いと思います。また、親も「心配や迷惑をかけたくない」「自分はまだまだ大丈夫」などと考えて、話し合いを避けてしまうこともあるでしょう。

しかし、もしかすると親と子の考えはそれぞれ異なるかもしれません。親が元気なうちに兄弟姉妹もふくめて話し合い、それぞれの考えや希望が分かれば、お互いが納得のいく選択がスムーズにできる可能性が広がります。

「親にはいつまでも元気に幸せでいてほしい」と願うからこそ、家族で楽しい時間をできるだけ共有しながら、将来のことも話し合っておくことが大切です。

介護に関する情報を収集しておく

親の介護は、誰にでもいつかは起こりうる問題です。親の老いを受け入れるのは辛いことでもありますが、突発的に介護が必要となり、仕事との両立が困難になることも考えられます。

介護に直面したときに慌てなくてすむように、少しずつでも介護に関する有益な情報を集めておきましょう。事前に心構えをしておくことは、介護の不安解消にもつながります。


<「仕事と介護の両立」に関する情報提供サイト>

・「仕事」と「介護」の両立ポータルサイト(内閣府 男女共同参画局 仕事と生活の調和推進室)
 http://wwwa.cao.go.jp/wlb/ryouritsu/index.html

・介護離職ゼロ ポータルサイト(厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp//stf/seisakunitsuite/bunya/0000112622.html

・介護サービス情報公表システム(厚生労働省)
 http://www.kaigokensaku.jp/


仕事と介護を両立するためのポイント

仕事と介護を両立するためのポイント

孤立せずに周囲と連携をとる

「周囲に迷惑をかけたくない」「誰かに知られたくない」などの思いから孤立してしまうと、負担が増えて仕事を辞めざるを得なくなるかもしれません。また、「すべて自分でがんばろう」と無理を続けてしまうと、心身の不調に陥る可能性もあります。

仕事と介護を無理なく両立するためには、ご自身やご家族だけで抱え込まずに周囲と連携をとることが大切です。介護サービスのほか、勤務先や民間団体、ボランティアなどのサポートも上手に活用して、できるだけ負担を減らしていきましょう。

家族で介護予防に取り組む

介護を防ぐだけではなく、要支援・要介護の状態になった場合でも、重度にならないように意識することが大切です。

地域全体でも介護予防教室の運営や社会参加の支援などを行って、介護予防に取り組んでいます。ご家庭でも健康づくりを心がけ、現在の心身の機能を可能なかぎり維持・改善するようにしましょう。



仕事と介護を両立するためには、ご自身の健康も考えて息抜きをすることも必要です。介護の悩みや不安がある場合は、ケアマネジャーなどの専門家に気軽に相談してみましょう。

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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