「要支援」と「要介護」の違いは?どんなサービスが利用できるの?

介護保険で利用できるサービスは、介護の度合い(要介護度)によって異なります。この介護の度合いを判定するのが、要介護認定(要支援認定を含む)です。要介護認定は、「要支援1・2」と「要介護1~5」の7段階に分かれています。この区分や利用できるサービスはどのように違うのでしょうか?

▼「介護保険制度」についてはこちらをご覧ください。  
もし介護が必要になったら?これだけは知っておきたい!「介護保険」の基礎知識

「要支援」とは

「要支援」とは

「要支援」とは、日常生活上の基本的動作(歩行・起き上がりなど)のほとんどはご自身で行うことができますが、手段的日常生活動作(薬の内服・電話の利用など)について何らかの支援が必要な状態です。

食事・入浴・衣服の着脱・排泄・移動など基本的な日常生活動作のほとんどはご自身でできますが、介護予防のために何らかの支援が必要な状態。

要支援状態の目安

要支援1
・食事や排せつはほとんどご自身でできる
・入浴などに何らかの介助を必要とすることがある


要支援2
・食事や排せつはほとんどご自身でできる
・立ち上がりや歩行などに支えを必要とすることがある
・入浴などに何らかの介助を必要とすることがある

※ 状態例はあくまでも目安です。


要支援1・2の方が利用できるサービス

「要支援1」「要支援2」と認定された方は、介護保険の介護予防サービスを利用することができます。

介護予防サービスを利用する場合は、介護予防ケアプラン(介護予防サービス計画)の作成が必要です。「要支援1」「要支援2」の介護予防ケアプランの作成は、地域包括支援センターに依頼しましょう(ご自身で作成することも可能です)。このケアプランに基づいてサービス事業所と契約し、介護予防サービスを利用します。

「要介護」とは護

「要介護」とは

「要介護」とは、日常生活上の基本的動作(歩行・起き上がりなど)をご自身で行うことが難しく、何らかの介護を必要する状態です。

要介護状態の目安

要介護1
・立ち上がりや歩行などに不安定さがみられることが多い
・排せつや入浴などに部分的な介助を必要とする
・問題行動や理解の低下がみられることがある


要介護2
・立ち上がりや歩行がご自身でできないことがある
・排せつや入浴などに一部または全面的な介助を必要とする
・問題行動や理解の低下がみられることがある


要介護3
・立ち上がりや歩行がご自身でできない
・排せつや入浴、衣服の着脱などに全面的な介助を必要とする
・いくつかの問題行動や理解の低下がみられることがある


要介護4
・日常生活能力の低下がみられる
・排せつや入浴、衣服の着脱などに全面的な介助を必要とする
・多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある


要介護5
・日常生活能力の著しい低下がみられる
・日常生活全般について全面的な介助が必要
・多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある
・意思の疎通が困難な場合が多い

※ 状態例はあくまでも目安です。


要介護1~5の方が利用できるサービス

「要介護1~5」に認定された方は、介護保険の介護サービス(在宅・施設)を利用することができます。介護サービスを利用する場合は、ケアプラン(介護サービス計画)の作成が必要です。

「要介護1~5」の介護サービスケアプランの作成は、ケアマネジャー(介護支援専門員)のいる居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼しましょう(ご自身で作成することも可能です)。

施設サービス[介護保険で利用できる施設(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・介護医療院)]を利用する場合は、その施設のケアマネジャーがケアプラン(施設サービス計画)を作成します。このケアプランに基づいて施設と契約し、介護サービスを利用することになります。


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「非該当(自立)」とは

「非該当(自立)」とは

「非該当(自立)」とは、日常生活上の基本的動作(歩行・起き上がりなど)に加えて、手段的日常生活動作(薬の内服や電話の利用など)もご自身で行うことができる状態です。

要介護認定で「非該当(自立)」と認定された場合でも、65歳以上の方であれば一般介護予防事業を利用できます。
また、市区町村が主体となって行う地域支援事業などのサービスを利用できる場合があります。
そのほかにも、民間サービスなどを上手に活用し、要支援・要介護状態になることを防いだり、介護負担を軽減したりすることができます。

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65歳以上の方ならどなたでも利用できる「一般介護予防事業」

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要介護認定の有効期間は、新規・変更申請の場合は原則6ヶ月(状態に応じて3~12ヶ月)となっています。また、更新の場合は原則12ヶ月(状態に応じて3~24ヶ月)です。
有効期間内であっても、お身体の状態や家庭環境が変わったときなどには区分の変更申請ができます。区分変更申請(要支援1・2に認定されている方は要介護認定申請)は、市区町村の窓口で行います。申請から認定までの流れは、要介護認定の申請時と同様です。
介護保険サービスをご利用中で区分変更申請をお考えの方は、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。

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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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