ご高齢者の健康づくりと社会参加をサポートする介護予防の資格

ご高齢者の健康寿命を延ばし、生活の質(QOL)を高めるために、「介護予防」の取り組みが重視されています。今回は、お勤めの介護施設や介護予防事業関連施設などでも役立てることができる介護予防資格の情報をまとめました。

介護予防運動指導員

介護予防運動指導員

介護予防運動指導員とは

介護予防運動指導員は、専門知識に基づいて、ご高齢者ができるだけ自立した生活を送れるようサポートする専門家です。
一人ひとりに合わせた介護予防プログラムを立案し、「筋力向上トレーニング」「転倒予防体操」「尿失禁予防運動」などの指導や評価を行います。

介護予防運動指導員になるには

地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所の指定する事業者が開設した「介護予防運動指導員養成講座」の受講が必要です。修了試験に合格すると、講座の修了証と「介護予防運動指導員登録証」が交付されます。

受講対象者

以下のいずれかの資格をお持ちで、全課程の講義および講習を履修できる方が「介護予防運動指導員養成講座」を受講できます。

国家資格等
●医師 ●歯科医師 ●薬剤師 ●保健師 ●助産師 ●看護師 ●准看護師 ●臨床検査技師 ●理学療法士 ●作業療法士 ●言語聴覚士 ●社会福祉士 ●介護福祉士 ●精神保健福祉士 ●歯科衛生士 ●あん摩マッサージ指圧師 ●はり師 ●きゅう師 ●柔道整復師 ●栄養士
●上記国家資格等の養成校等の卒業見込みかつ資格取得見込み者(国家試験受験者)
●介護支援専門員 ●健康運動指導士等 ●介護職員基礎研修課程修了者 ●訪問介護員2級以上(実務経験2年以上)●実務者研修修了者 ●初任者研修修了者(実務経験2年以上)の方

※介護予防運動指導員を養成する講師的な役割を持つ「介護予防主任運動指導員」の場合、事業者から推薦を受けた方が対象となるため、原則として個人の方が申し込むことはできません。

講習内容

23講座・合計31.5時間(講義19.5時間と実習12時間)の講習を受講します。

●老年学 ●介護予防概論 ●地域づくりによる介護予防論 ●高齢者の社会参加と介護予防 ●介護予防・日常生活支援総合事業と介護予防コーディネーション ●行動科学特論 ●介護予防評価学特論・実習 ●介護予防統計学 ●リスクマネジメント ●高齢者筋力向上トレーニング特論・実習 ●転倒予防特論・実習 ●尿失禁予防特論・実習 ●高齢者栄養改善活動特論 ●口腔機能向上特論・実習 ●フレイル・サルコペニア予防特論 ●認知症予防特論・実習 ●うつ・孤立・閉じこもり予防特論

受講料等

受講料は講習会を開催する指定事業者によって異なりますので、各指定事業者にご確認ください。
(テキスト代・修了証・登録証発行料などを含め、6~8万円程度のようです。)また、3年ごとに登録の更新(更新料3,000円)が必要となります。

申し込み方法

講習会を開催する指定事業者によって異なりますので、各指定事業者にご確認ください。

介護予防指導士

介護予防指導士

介護予防指導士とは

介護予防指導士は、介護が必要な方だけでなく、元気な方も介護予防指導の対象としています。
筋力訓練指導やストレッチングのほか、転倒予防、栄養ケア、口腔ケアなどの指導を行うことができます。

介護予防指導士になるには

特定非営利活動法人 日本介護予防協会が開講する講習の受講が必要です。すべての科目を受講された方に、受講証明書と認定証が授与されます。

受講対象者

以下のいずれかの資格をお持ちの方が対象となりますが、それ以外の方も相談可能です。

●介護福祉士 ●介護職員初任者研修課程修了者 ●ヘルパー1・2級 ●介護支援専門員など介護系資格所持者 ●看護師 ●准看護師 ●保健師 ●理学療法士 ●作業療法士 ●言語聴覚士 ●社会福祉士 ●歯科衛生士 ●栄養士 ●柔道整復師 ●鍼炙師 ●あん摩・マッサージ指圧師 ●健康運動指導士 ●健康運動実践指導者などの運動指導系の資格所持者 ●レクリエーション系の資格所持者など

講習内容

10科目・合計21.5時間(講義と実技)の講習を受講します。講習期間は3日間です。

●介護予防概論 ●栄養ケア ●口腔ケア ●筋力訓練指導 ●ストレッチング ●転倒予防 ●測定と評価 ●リハビリテーション ●救急蘇生 ●認知症ケア

受講料等

税込49,500円(認定料・テキスト代を含む)

申し込み方法

特定非営利活動法人 日本介護予防協会のホームページから申し込みます。講習は全国で開催されています。

介護予防運動トレーナー

介護予防運動トレーナー

介護予防運動トレーナーとは

介護予防運動トレーナーは、安全で効果的な運動プログラムを提供し、生きがいや自己実現のための取り組み、生活の質の向上を支援します。高齢者施設のほか、介護予防事業関連施設、フィットネス施設、市区町村の各種教室などでも活躍できます。

介護予防運動トレーナーになるには

一般社団法人 メディカル・フィットネス協会が開講する講習会(通常4日間コース・特例3日間コース)を受講し、認定試験に合格する必要があります。認定試験に合格し、介護予防運動トレーナーとして登録した方には「資格登録証」と「資格認定会員 会員証」が発行されます。

受講対象者

以下のいずれかの資格をお持ちの方が対象となります。

●介護福祉士 ●社会福祉士 ●介護支援専門員 ●管理栄養士 ●鍼灸師 ●医師 ●看護師 ●准看護師 ●理学療法士 ●作業療法士 ●柔道整復師 ●介護職員実務者研修(ホームヘルパー1 級・介護職員基礎研修)●介護職員初任者研修課程(ホームヘルパー2 級)●福祉施設・介護施設・運動施設での実務経験2年以上の方
●運動指導資格保有者 ※特例コース対象(基礎講座免除)●その他協会が認めた者

講習内容

以下のいずれかの資格をお持ちの方が対象となります。

通常 4日間コース(14講座/24時間)
●基礎講座(1日間4講座/7時間) ●講義(6講座/9時間) ●実習(4講座/8時間)
特例 3日間コース(10講座/17時間)
●講義(6講座/9時間) ●実習(4講座/8時間)

※特例コースの受験資格は、健康運動指導・健康運動実践指導者・スポーツ系資格取得者
※希望により通常コース初日(基礎講座)の無料受講が可能

受講料等

【会員】通常コース55,000円 / 特例コース45,000円(認定試験料を含む)
【一般】通常コース65,000円 / 特例コース50,000円(認定試験料を含む)
【登録料金】5,000円(会員年会費初年度分を含む)

養成校認定試験

認定校で決められたカリキュラムを受講した方が受けられる試験(50問100点満点のマークシート方式)です。

対象者
スポーツ系・医療系・介護福祉系の専門学校生・短大生・大学生
主な科目
●介護予防概論 ●介護予防マネジメント ●認知症予防理論 ●失禁予防理論 ●行動科学理論 ●低栄養予防理論 ●転倒予防理論 ●筋力向上トレーニング理論

※「介護予防運動トレーナー養成テキスト」に準拠した内容が出題されます。

認定試験の受講料等

【受験料】15,000円(会員10,000円)
【テキスト代】5,000円(会員3,000円)
【登録料金】5,000円(会員年会費初年度分を含む)

申し込み方法

一般社団法人 メディカル・フィットネス協会のホームページから申し込みます。



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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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