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ご高齢者の口腔ケアのポイント

ご高齢者の口腔ケアのポイント

生涯にわたって自分の歯で噛み、おいしい食事を楽しむためには、毎日のお手入れが大切です。

歯周病・むし歯を予防する

歯を失う2大原因といわれる「歯周病」と「むし歯」を防ぎましょう。
歯周病は痛みなどの自覚症状がないまま進行し、気づいたときには重症になっていることが多くあります。
ご高齢者のむし歯は、噛む面からではなく歯の根面から発症する場合が多いのが特徴です。それは、歯周病によって歯茎から露出した歯の根面がむし歯にかかりやすくなるためです。
歯周病やむし歯の予防は、毎日の歯みがきで歯垢(プラーク)を取り除くことが基本となります。歯ブラシだけで汚れが取れにくい部位には、歯間ブラシやデンタルフロス、部分みがき専用歯ブラシなどを使いましょう。
また、喫煙や糖分の摂り過ぎ、ストレス解消、食生活の見直しなどの生活習慣の改善、定期健診、プロフェッショナルケアも大切です。


誤嚥(ごえん)を防ぐ

ご高齢者に多い誤嚥性肺炎(食べ物や唾液などが誤って気管に入り、一緒に入った細菌が炎症を起こすことで生じる肺炎)を防ぐためにも、食前と食後の口腔ケアが重要です。
口腔ケアには、口やのどの中の細菌を減らす効果のほか、飲み込む機能やせき込む機能を改善させる効果も期待できます。
なお、嚥下(えんげ)機能が低下している方の口腔ケアを行うときは、水分の使用はできるだけ控えて、水分が気管に入らないように気をつけましょう。

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お口の機能を維持・向上する

お口や顔面の体操、舌のストレッチ、唾液腺マッサージなどの機能的口腔ケアを行い、お口の機能を維持・向上しましょう。
機能的口腔ケアには、口腔トラブルの予防・改善だけでなく、食事を安全においしく食べたり、食べこぼしなどを防いだりする効果も期待できます。また、表情が豊かになり、気分をリフレッシュすることもできます。
ご自身のお口や身体の状態に合ったものを取り入れ、無理なく楽しみながら取り組んでみましょう。

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入れ歯で口腔機能を維持する

入れ歯で口腔機能を維持する

ご自身の歯が20本残っていなくても、入れ歯(義歯)などを入れることでお口の機能を維持し、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)を向上することは可能です。歯が抜けた場合はそのままにせず、かかりつけの歯科医院に相談しましょう。
ご自身に合った入れ歯(義歯)でしっかり噛むことができれば、栄養状態がよくなります。また、脳が活性化されて認知症リスクが軽減するともいわれています。
入れ歯(義歯)は汚れやすいため、こまめにお手入れをして、定期検診も受けるようにしましょう。

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▼関連リンク
公益財団法人 8020推進財団
日本歯科医師会

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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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