ご高齢者に多い病気等と知っておきたい福祉用具の種類・選び方

片麻痺(へんまひ・かたまひ)

片麻痺(へんまひ・かたまひ)

身体の片側(左または右)の上下肢が麻痺している状態のことを、片麻痺(へんまひ・かたまひ)といいます。片麻痺は、脳梗塞や脳出血などの方にみられる症状です。


歩行補助用具

・歩行補助杖

重度の片麻痺の方には、「ロフストランド杖(ロフストランドクラッチ)」や「歩行器型杖(サイドケイン)」などが用いられます。

ロフストランド杖(ロフストランドクラッチ)
体重を支えるグリップと、前腕を支えるカフを備えた杖です。「前腕部支持型杖」「前腕固定型杖」とも呼ばれます。
前腕カフに腕を通して固定することができ、握りと前腕の2点で支えるため、支持性が高くなります。
歩行器型杖(サイドケイン)
支持基底面が広く、多脚型杖(多点型杖)より安定性のある杖です。「ウォーカーケイン」「サイドウォーカー」とも呼ばれています。
身体の横につきながら使用し、立ち上がりの補助にも利用できます。折りたたみも可能です。
広いスペースが必要なため、平らな場所以外での使用には向いていません。


・歩行器(歩行車)

歩行車

歩行器には「持ち上げ型歩行器」「交互型歩行器」「前輪歩行器」「四輪歩行器」などがあります。片麻痺の方も使用できる、片手操作式の歩行器(歩行車)もあります。


車いす

車いす

車いすは、「自走用(標準型)車いす」「介助用(標準型)車いす」「電動車いす」の3種類に大きく分けられます。

自走用(標準型)車いす
利用するご本人が操作する車いすです。後輪の外側に付いている「ハンドリム」という輪を押して進みます。
ブレーキは後輪の前方についていますが、グリップ(手押しハンドル)に介助用の補助ブレーキがついている製品もあります。
片麻痺の方向けの片手で操作できるものや足こぎ車いすなどもあります。
介助用(標準型)車いす
介助者に押してもらう車いすです。
後輪に「ハンドリム」はついておらず、グリップ(手押しハンドル)にも補助ブレーキがついています。
電動車いす
電動モーターを使用した車いすで、コントロール部分を操作して移動します。自操用のほかに、介助用があります。
便利で快適ですが、安易な使用による身体機能低下や、間違った使い方による事故などのリスクがあるため注意が必要です。


車いすを使用する前に歩行補助杖や歩行器なども検討し、「車いすが本当に必要かどうか」をよく考えてから選びましょう。
また、車いすの種類は多く、機能や大きさ、デザインなども豊富です。車いすを選ぶときは、ご自身の身体の状況のほか、使用する目的や場所、介助する方の状況なども考慮する必要があります。最適なものを選ぶために、身近な専門職にも相談してみましょう。


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自助具・便利グッズも活用しましょう

自助具

調理や食事のときは、自助包丁・自助箸・自助スプーン・自助皿などを活用しましょう。マジックテープ付きエプロン・滑り止めマット・軽量で割れないプラスチック製食器なども便利です。
着替えのときは、着衣エイド・ボタンエイド・ソックスエイド・ファスナー用のリーチャー(フックを備えた棒)などを活用するとスムーズになります。


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福祉用具の種類は多く、お身体の状態や生活環境、役割などによって利用するものは変化します。福祉用具を利用するときは、ケアマネジャーや理学療法士などの専門職に相談し、検討を重ねながら、実際の生活に役に立つものを選ぶようにしましょう。




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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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