第45回 国際福祉機器展レポート(2)介護する方も快適になる介護用品

前回に続いて、2018年10月10日~12日に開催された「第45回 国際福祉機器展(H.C.R.2018)」のレポートをお届けします。今回は、お出かけがもっと楽しくなる移動機器やご高齢者向けのおしゃれな介護用品、リハビリ・介護予防機器、災害時にも役立つ便利グッズなどをご紹介します。


前回の記事はこちらからご覧いただけます。

第45回 国際福祉機器展レポート(1)日常生活に役立つ介護用品

お出かけが楽しくなる介護用品

移動機器

①自動制御機能付き歩行器「ロボットアシストウォーカーRT.2(アールティーツー)」

ロボットアシストウォーカーRT.2(アールティーツー)

ロボットを搭載した「ロボットアシストウォーカーRT.2」は、坂道でも安全で歩きやすい自動制御機能付きの歩行器です。上り坂では自動的にパワーアシストが働き、下り坂では自動でブレーキが適度に減速。傾いた道では片流れを防ぎ、速度超過を探知すると自動ブレーキが働いて転倒を防ぎます。

ボタン操作で設定できる「アシスト」「ブレーキ」「速度」は、身体機能や使用環境にあわせて細かな調整が可能です。また、「急斜面です。注意して下さい!」など、声でアシストしてくれる「おしゃべり機能」も。
カラーは、シックなレッドとシャンパンゴールド。標準サイズに加えて、トールタイプも登場しています。ワンタッチで折りたためて持ち運びもできるため、幅広いシーンで活躍しそうですね。

株式会社竹虎 http://www.taketora-web.com/


②階段で便利な「階段式杖」・種類豊富なおしゃれステッキ

株式会社つえ屋

ご自宅や駅、病院などの階段で安全に歩けるように開発された「階段式杖」。階段をのぼるときは通常より短く、おりるときは通常より長くできます。
持ち手の下にボタンがあり、66cmから101cmまで片手で長さ調節が可能。持ち手は前後どちらからでも持てるようになっています。カラーは、黒・茶・紫・赤・緑の5色です。

株式会社つえ屋

ほかにもシンプルなものからカラフルなものまで、さまざまな杖・ステッキが展示されていました。
和柄、花柄などデザインが豊富で、着物や洋服とのコーディネートを考えるのも楽しそうです。木製、アルミ製、カーボンファイバー製と素材もいろいろ。携帯できる折りたたみタイプ、夜の歩行時に安心な光るステッキ、京都らしい手塗り漆ステッキなども。普段使い用、旅行用、フォーマル用など、シーン別に使い分けることもできますね。

ステッキ・杖の専門店 株式会社つえ屋 http://www.e-104.info/


衣類

①ファッション性を兼ね揃えた頭部保護帽「abonet(アボネット)」

abonet(アボネット)

高齢になると転びやすくなり、転倒による骨折のリスクも高くなります。転倒を防ぐことはもちろん大切ですが、もし転んでしまっても最小限のケガで済むように、頭部保護帽などを使用するのも対策のひとつです。

abonet(アボネット)

「abonet(アボネット)」は、頭部保護帽の機能性にファッション性もプラスしたスタイリッシュな帽子。
クロッシェやベレー、ハンチングタイプなど、日常に溶け込むデザインの「abonetシティ」はお出かけに最適です。また、室内向けの「abonetホーム」、スポーツやレジャー、アウトドア向けの「abonetアクティブ」など、さまざまな場面に対応した帽子も揃っていました。

株式会社特殊衣料 http://abonet.jp/


②シルエットにもこだわった「腰ケアパンツ」

腰ケアパンツ

パンツにベルトをセットする一体型の「腰ケアパンツ」。樹脂製ボーン内蔵のサポートベルトで腰をしっかりケアしながら、きれいなシルエットで介護する方のおしゃれ心も満たします。
ベルトは前面で留めるだけなので、着替えやトイレの際の脱ぎ着もスムーズ。さらに見た目をスッキリさせたいときは、ベルトを隠すこともできます。カラーは、ベーシックな黒・白・ネイビー・ベージュの4色展開です。

住商モンブラン株式会社 http://scmb.montblanc-web.jp/


トレンド

パラリンピック・バスケットボール用車いす「B-MAX」

B-MAX

東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、車いすバスケットボール用に開発したこの製品は、多くのトップアスリートから絶大な支持を受けています。

株式会社松永製作所 http://www.mp-wheelchairs.jp/joho/b-max/index.html

安心・安全につながる福祉機器

①飲み込む力が見える・聞こえる「ごっくんチェッカー」

ごっくんチェッカー

加齢とともに飲み込む力が弱くなるため、ご高齢の方は食事中の誤嚥(ごえん)のリスクが高くなります。

ご高齢者が安全に食事をとるために知っておきたい基礎知識

「ごっくんチェッカー」は、食事介助のときに目と耳で嚥下(えんげ)の状態を確認できる集音器です。電池使用で持ち運びができ、食事介助のほかにリハビリや食形態の検討などにも活用できます。
圧と音を感知するセンサーが、誤嚥、残留の状態を波形とテキストで可視化(見える化)。また、スピーカーから嚥下音(飲みこんだ音)を聞くことができます。センサーは頸部(首)にベルトで装着するだけで、身体的リスクもありません。

株式会社ハッピーリス https://www.happyris.jp/


②とろみのついた飲料をワンプッシュで抽出する「とろみサーバー」

とろみサーバー

サラサラした飲み物は、適度なとろみをつけると誤嚥(ごえん)しにくくなります。
「とろみサーバー」は、撹拌作業の自動化し、とろみのついたお茶やお水をボタンひとつで提供するサーバー。簡単操作パネルで、HOT・COLD、とろみ薄め・とろみなしも選べます。飲料のパウダーを変えることで、煎茶、ほうじ茶、麦茶、スポーツドリンクなど、バリエーション豊かな味を楽しむことができます。

福島工業株式会社 http://www.fukusima.co.jp/publish/products_news/_1775.html


③身体装着型 移動支援機器「Qピット」

Qピット

「Qピット」は、パーキンソン病などによる"すくみ足"を視覚・聴覚CUEでサポートする身体装着型の移動支援機器です。
足底が地面にへばりついたようになり、歩けなくなる状態のことを"すくみ足"といいます。「Qピット」は、床に目印となるLED光のラインを映し出す「視覚CUE(キュー)」と、イヤホンから一定のリズムを流す「聴覚CUE(キュー)」とで"すくみ足"にお悩みの方の歩行をサポート。
装着方法は、小型で軽量の機器を腰にベルトで巻くだけと簡単。ハンズフリーになるため、歩くことだけに意識を集中させることができます。

有限会社ホームケア渡部建築 https://www.homecarewatanabe.com/qpit

災害時にも役立つ便利グッズ

①お湯のいらない全身清拭料「アラ!ドライナリシング」

アラ!ドライナリシング

泡でふき取るだけで、洗い流す必要のない泡タイプの全身清拭料です。
全身清拭や部分清拭、洗髪、おむつ交換などの際に、さっと手軽に使えます。体調不良で入浴ができない日や災害時などにも便利ですね。泡を手に取ってみると、ほっとするようなオレンジの香りで、さらりとした使用感でした。

株式会社フェニックス http://phoenix.sg.shopserve.jp/SHOP/1493.html


②緊急時にストレッチャーに早変わりする看板「サポートサインストレッチャータイプ」

サポートサインストレッチャータイプ

普段は看板として使用し、災害などの緊急時にはストレッチャーとして使用できる非常搬送用可変式サインスタンド。ボードを外すと担架シートが現われてストレッチャー変わり、対象者をすばやく移動することができます。

常磐精工株式会社 http://www.tokisei.co.jp/


③避難用簡易保護帽「でるキャップ」

でるキャップ

いざという時に頭を保護するための避難用簡易保護帽です。ポリエチレン製で軽く、首に負担がかからないため、お子さまからご高齢者まで使用できます。
通常はフラットな形状のコンパクトタイプは、引出しや本棚などにも収納可能です。避難時には「でるキャップ」を頭の上にのせ、そのまま押しつけてかぶり、あごひもを止めれば装着完了。衝撃に強く、高い難燃性で火災のときもしっかり頭を守ります。

株式会社タイカ ウエルネス事業本部 http://taica.co.jp/pla/product/derucap/index.html


④災害用携帯トイレ「ほっ!トイレ」

ほっ!トイレ

女性の視点から生まれた「ほっ!トイレ」は、災害時などにさっと広げて用を足せる携帯トイレ。カバンに入れて持ち歩けるコンパクトサイズで、ご高齢者の方も簡単に組み立てることができます。

ほっ!トイレ

災害時だけでなく、高速道路の渋滞中や登山、レジャー先など、トイレがない場所でも便利。ポンチョ付きでプライバシーも守れます。また、便中の雑菌を除菌し、悪臭成分を分解・吸着するトイレ処理剤が入っているので、不快なニオイが漏れる心配もありません。

株式会社エクセルシア http://excelsior-inc.com/products/hotilet.html





次回の「第46回 国際福祉機器展(H.C.R. 2019)」は、2019年9月25日(水)~27日(金)の3日間、東京ビッグサイトの西・南展示ホールにて開催される予定(入場料無料)です。詳しい情報は、保健福祉広報協会のホームページでご確認いただけます。

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

第45回 国際福祉機器展レポート(2)介護する方も快適になる介護用品

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