介護をする方の心理的負担を軽くするための「介護マーク」

介護中は、さまざまな場面で介護者の付き添いや介助が必要になります。しかし、状況によっては、介護をしている方が誤解されたり偏見の目で見られたりすることがあります。「介護マーク」は、そのような介護者の心理的負担を軽くするために作成されたマークです。

今回は「介護マーク」やその他の介護に関するマークについて解説します。

「介護マーク」とは

「介護マーク」とは

「介護マーク」は、介護をしている方が「介護中であること」を周囲にお知らせするためのマークです。
外出先で介護者が「介護マーク」を身に着け、周囲の理解を得ることが、介護者の心理的負担の軽減につながります。

「介護マーク」は、2011年(平成23年)4月に静岡県で初めて導入されました。
作成のきっかけは、静岡県主催の認知症患者介護家族との意見交換会です。介護家族からは「認知症の人の介護は外見では介護していることが分かりにくいため、誤解や偏見を持たれて困っている」「介護中であることを表示するマークを作成してほしい」という声が寄せられました。

静岡県は、このような介護者の要望に応えて「介護マーク」を考案し、マークの配布と県内外への普及を進めています。また、厚生労働省も各自治体を通じて「介護マーク」の普及を図っており、この取り組みは全国に広まりつつあります。

※「介護マーク」は全国共通のデザインです。著作権は静岡県にあるため、デザインの改変などは行えません。

こんなときに使える「介護マーク」

こんなときに使える「介護マーク」

介護者が外出先で困っていること

・トイレに介護者が付き添うとき、周囲から冷たい目でみられることがある
・男性の介護者が、女性用の下着などを購入するときに困っている
・ほんの少し目を離した間に、認知症の方がどこかに行ってしまうことがある など

「介護マーク」の活用例

・介護中であることを周囲の方にさりげなく知ってもらいたいとき
・公共のトイレ(駅・サービスエリアなど)で、介護者が付き添いや介助をするとき
・病院で、介護者も一緒に診察室に入るとき
・男性の介護者が女性用衣類などを購入するとき
・車の乗り降りの介助をするとき
・認知症の方の介護をしていて、見守りを必要とするとき
・障がいのある方の介護をして、周囲の理解を得たいとき



「介護マーク」の活用例

「介護マーク」の使い方

「介護マーク」の画像ファイルは、自治体のホームページからダウンロードできます。印刷したものを切り取り、ひものついたカードケース(両面表示)に入れ、首から下げて使うのが一般的です。また、多くの自治体では窓口などで、「介護マーク」の無料配布や貸し出しを行っています。
「介護マーク」の取り組みについて詳しくは、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

周囲の方ができること

見守りやサポートが必要な方の介護をしている方が「介護マーク」を身に着けています。
「介護マーク」をみかけた方が温かく見守ることで、介護が必要な方や付き添いの介護者が安心して外出できます。



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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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