第46回(2019年) 国際福祉機器展レポート(2)暮らしをサポートする福祉用具

「介護の便利帖」では、毎年東京ビッグサイトで開催される福祉機器の国際展示会「国際福祉機器展(H.C.R.)」のレポートをお届けしています。今年は晴天に恵まれ、会場には多くの来場者が訪れていました。第2回目となる今回は、快適で安心な暮らしをサポートする福祉用具をご紹介します。

第46回(2019年) 国際福祉機器展レポート(2)

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大切な方を看守る「うららかGPSウォーク®」

大切な方を看守る「うららかGPSウォーク®」

「うららかGPSウォーク®」は、靴底にGPSを内蔵できるスペースを確保した靴です。
徘徊(はいかい)の症状がある認知症の方や、うっかり携帯電話を忘れて出かけてしまうご高齢の方などを看守ります。

カラーはブラック、サイズは2Sから3Lまで(21.5/22.0cm ~ 26.5/27.0 cm)あり、男女兼用です。
履き口がフルオープンスタイルで、かかとに指通しリングがついているため、履きやすく、また履かせやすくなっています。
GPSは、左足の中敷きを引き上げて収納スペースに入れるだけ。
つま先には、つまづきを防ぐための適度な反り返りがついており、かかと部分には、暗い所で光ってお知らせする反射テープと名前が書けるフリースペースがあります。

おしゃれなブラウンカラーは、外側ジッパーと内側ゴアで履きやすい「うららかGPSウォーク®Z」。
どちらのタイプも、片足のみ、または左右サイズ違いでの購入が可能です。

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大切な方を看守る「うららかGPSウォーク®」

WEB上のサービスなので、スマートフォンやパソコン、タブレットから、インターネットに接続するだけで位置情報を検索できます。
※GPS機器は別売り (別契約) となります。

株式会社トレイル
https://www.uraraca.net/rehabili-shoes/gps-walk.html

車いすに使いたい「ロホクッション」

車いすに使いたい「ロホクッション」

ロホクッションは、体圧を分散して床ずれ(褥瘡・じょくそう)を予防するクッションです。
エアセル(空気室)の高さは最大10cm。床ずれのできやすい座骨結節部(ざこつけっせつぶ)や臀部(でんぶ)、大腿部(だいたいぶ)などを深く沈み込ませることで接触面を広げ、圧力を一定に保ちます。
さまざまなタイプの製品が揃っており、利用する方のニーズや身体特性、使用環境などに合わせて選ぶことができます。

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車いすにも使える「ロホクッション」

床ずれ予防と座位保持を提供する「ロホ・クァドトロセレクト」は、車いす用の床ずれ予防クッションです。
特長は、エアセル(空気室)が4つに分かれていること。柔軟に座圧を分散するとともに、多方向から座位のバランスを調整できるため、座位姿勢で身体が片側に傾いてしまう方や、前方にずれ落ちてしまう方などに向いているそうです。

寸法は、幅と奥行が各種あり、エアセルの高さは「ハイタイプ」「ミドルタイプ」「ロータイプ」とエアセルの高さ等が異なる3タイプがあり、特注制作にも対応しています。


車いすにも使える「ロホクッション」

付属のエアポンプを使い、角についているバルブからクッション全体に空気を入れます。実際に試してみましたが、軽くプッシュするだけで空気が入りました。
座位のバランスは、「アイソフロー(赤・緑のボタン)」という特殊バイブを操作することで微調整できます。
失禁などで汚れてしまったときは、ご自宅や施設での水洗いが可能です。

アビリティーズ・ケアネット株式会社
https://www.abilities.jp/fukushi_kaigo_kiki/tokozure/roho-wheelchair-cushion

リハビリをサポートする「パワーアシストシリーズ」

リハビリをサポートする「パワーアシストシリーズ」

「パワーアシストシリーズ」は、手指や足首を空気の力でやさしく動かすリハビリテーション補助機器です。
麻痺(まひ)のある方、拘縮(こうしゅく)で困っている方などが利用することで、可動域の改善や緊張のほぐれが期待できます。


リハビリをサポートする「パワーアシストシリーズ」

リハビリをサポートする「パワーアシストシリーズ」

会場では、手指の屈伸運動を行う「パワーアシストハンド」を試してみました。
症状に合わせて調節が可能で、ある程度抵抗がある場合は途中で動きが止まるようになっています。

写真のように「ひらく」「とじる」というシンプルな動作を繰り返しますが、空気圧を使っているため無理な力がかからず、関節への負担も少ないように感じました。
グローブは、子どもから大人まで使える4サイズ(S・MS・M・L)が用意されています。

株式会社エルエーピー
http://lap-atom.co.jp/

日常を楽しむための「SCOO(スクー)」

「SCOO(スクー)」は、気軽に外出して「日常」をもっと楽しむための電動車いす。
シンプルなデザインと折りたたんで収納や持ち運びができる手軽さが魅力です。介護保険の福祉用具貸与(レンタル)の対象にもなっています。
ご自身での移動が困難で外出をためらいがちな方も、買い物や旅行などに出かける機会を増やすことができます。


日常を楽しむための「SCOO(スクー)」

2019年10月から発売のSCOO X(スクークロス)。
タイヤとモーターが大きくなり、悪路や段差の解消が行き届いていない場所でも安定した走行を可能にしています。
段差の乗り越えは5cm、登板角度は10度、連続走行距離は2時間のフル充電で約13kmです。


日常を楽しむための「SCOO(スクー)」

両手で操作する前方のハンドルは、握るポジションが選べるループ型。「前進」と「後進」のレバーは、片手でも操作ができます。
また、被視認性の向上や事故防止、暗視補助として「ヘッドライト」と「テールライト」が手元のボタンひとつで点灯します。
ハンドルの前方には、お買い物などの際に便利な着脱式バスケット(別売り)を取り付けることも可能です。

前方ハンドル操作型のほかに、片手で操作するサイドステアリング方式の「SCOO」もあります。


日常を楽しむための「SCOO(スクー)」

電動車いすは、運転免許を返納した後の移動手段としても注目されています。
SCOO(スクー)は、道路交通法上では「歩行者」として扱われるため、運転免許や登録、車検は必要ありません。
遠出をするときは、折りたたんで自家用車や公共交通機関で持ち運ぶことができます。
折りたたむと自動的にスタンドが跳ね上がる仕組みになっているので、自立させればマンションの玄関先などの狭いスペースにもコンパクトに収まります。

株式会社キュリオ
https://www.scoo-web.com/



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次回の「第47回 国際福祉機器展(H.C.R. 2020)」は、2020年10月21日(水)~23日(金)に、東京ビッグサイトの西・南展示ホール、会議棟、レセプションホールにて開催される予定です。詳しくは、国際福祉機器展H.C.R.ホームページをご確認ください。

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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