認知症の方やご家族をサポートする認知症ケアの資格

急速な高齢化に伴い、今後も認知症の方が増加すると見込まれています。認知症を正しく理解し、ご本人やご家族をサポートできる人材は、これからますます求められるようになるでしょう。
認知症ケアの資格はいくつかありますが、今回は「認知症ケア専門士」「グループホームケア実践士」「認知症介助士」の3つの資格をご紹介します。


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認知症ケア専門士

認知症ケア専門士

「認知症ケア専門士」とは

「認知症ケア専門士」は、一般社団法人 日本認知症ケア学会が認定する資格です。認知症介護に従事する方の自己研鑚や生涯学習の機会提供を目的に設けられています。
認知症ケア専門士の方が保有している基礎資格は介護福祉士が最も多く、介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護職員初任者研修(ヘルパー)、看護師・准看護師と続きます。
なお資格保有者には、研修会等(単位取得)への参加を要件とする5年ごとの資格更新が義務づけられています。

「認知症ケア専門士」になるには

介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)などの資格の有無は問われませんが、認知症ケアの実務経験(3年以上)が求められます。有資格者であっても、認知症ケアの実務経験証明書の提出が必要です。

認知症ケア専門士の資格を取得するためには、第1次試験(筆記試験)と第2次試験(論述・面接試験)に合格する必要があります。

2018年に行われた認定試験の合格率は 54.7%となっており、認知症ケアの資格の中では比較的難易度が高いといえるでしょう。

受験資格

第1次試験の受験資格
認知症ケアに関する施設、団体、機関等において、試験実施年の3月31日より過去10年間において3年以上の認知症ケアの実務経験(教育・研究・診療を含む)を有する者

第2次試験の受験資格
下記のいずれかに該当する者
・第1次試験(筆記試験)全分野(4分野)の合格者
・認知症ケア実務経験(3年以上)を有する「認知症ケア准専門士」

試験の概要

第1次試験
試験分野 ① 認知症ケアの基礎
② 認知症ケアの実際Ⅰ:総論
③ 認知症ケアの実際Ⅱ:各論
④ 認知症ケアにおける社会資源
出題範囲 「認知症ケア標準テキスト」に準じた内容
出題数 各分野50問のマーク式(五者択一)
合格要件 各分野70%以上の正答率を有した方
(4分野すべての合格をもって、第1次試験合格となります)
※各分野の合格有効期間は5年間
受験料 3,000円×受験分野数(4分野で12,000円)


第2次試験
試験内容 【論述】
認定委員会より出題される事例問題に対する論述
【面接】
6人を1グループとした面接(1分間のスピーチとディスカッション)
合格要件 ① 適切なアセスメントの視点を有している者
② 認知症を理解している者
③ 適切な介護計画を立てられる者
④ 制度および社会資源を理解している者
⑤ 認知症の人の倫理的課題を理解している者
受験料 8,000円


過去3年間の認定試験合格状況

催年 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第14回試験(2018年) 5,063 2,769 54.7
第13回試験(2017年) 6,029 3,266 56.5
第12回試験(2016年) 7,467 3,983 49.3

「認知症ケア専門士」の種類

一般社団法人 日本認知症ケア学会認定の資格には、「認知症ケア専門士」のほかに「認知症ケア上級専門士」と「認知症ケア准専門士」があります。

認知症ケア上級専門士

認知症のケアチームにおけるリーダーや、地域のアドバイザーとして活躍することが期待できる専門士の養成を目的に創設された資格です。

認知症ケア准専門士

学生や家族、市民に対して認知症をより深く理解する機会を広め、誰もが認知症を自身の問題として向き合える環境を整えることで、質の高い介護人材の輩出に繋げることを目的に設けられた資格です。
認知症ケアの実務経験がなくても、2020年3月31日までに満18歳以上に達する方は受験できます。


▼関連リンク
「認知症ケア専門士」公式サイト
一般社団法人 日本認知症ケア学会

グループホームケア実践士

グループホームケア実践士

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の症状がある65歳以上の高齢者(要支援2以上の方)が共同生活を送るところです。
少人数(5人~9人)の利用者が介護スタッフとともに家庭的な雰囲気の中で暮らし、ご本人のもつ能力に応じて自立した生活を営めることを目指します。

「グループホームケア実践士」とは

グループホームケア実践士は、グループホームケアに特化した「日本認知症グループホーム協会」が創設した独自資格です。
「認知症になっても、その人らしい生活を支援する」というグループホームの理念を貫き、「能力に応じた自立支援」や「認知症の人のいきいきとした生活」の実現を目指します。

さまざまな方が受講できるよう、認知症グループホームでの勤務経験別に、ブロンズ級(初級)・シルバー級(中級)・ゴールド級(上級)・プラチナ級(最上級)の4種類の研修が設けられています。また複数の研修を受講した方には称号が付与されます。

「グループホームケア実践士」になるには

グループホームケア実践士の研修(各級とも講義・演習3日+実習)を受講する必要があります。
研修3日目の修了式で資格認定証が発行され、「グループホームケア実践士」名簿へ登録されます。

資格は3年ごとの更新制で、資格取得後は3年以内に日本認知症グループホーム協会主催の研修会、全国大会、支部主催の研修会に一定程度参加することが必要です。

受験資格

① ブロンズ級(初級) 認知症グループホームでの経験がおおむね0~2年
② シルバー級(中級) 認知症グループホームでの経験がおおむね3~5年
もしくはブロンズ級修了者
③ ゴールド級(上級) 認知症グループホームでの経験がおおむね6~9年
もしくはシルバー級修了者
④ プラチナ級(最上級)
※検討中
認知症グループホームでの経験がおおむね10年以上
もしくはゴールド級修了者

研修の概要

研修内容 各級とも講義・演習3日+実習
称号の付与 【GHケアリーデル】
ブロンズ級+シルバー級修了者
【GHケアマイスター】
ブロンズ級+シルバー級+ゴールド級修了者
【GHケアスーパーバイザー】
ブロンズ級+シルバー級+ゴールド級+プラチナ級修了者
受講料 【会員】8,000円
【非会員】16,000円


▼関連リンク
公益社団法人 日本認知症グループホーム協会



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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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