ご高齢者に多い「めまい」とは?気をつけたい症状と対処法

2020/08/31

つらい「めまい」は多くの方が悩む症状のひとつです。特にご高齢の方は、めまいやふらつきを起こしやすく、転倒などにつながってしまうこともあります。今回は、めまいのタイプや主な原因、対処法などについて解説します。

「めまい」のタイプ

「めまい」のタイプ

ひとくちに「めまい」といっても「グルグル」「フワフワ」「グラグラ」など感じ方はさまざまで、症状の強さも異なります。

回転性めまい

自分や周囲がグルグル回っているように感じるめまいです。症状は強く出ることが多く、吐き気などを伴なうこともあります。

浮動性めまい

足元がフワフワと浮いているように感じるめまいです。まっすぐ歩けなくなったりすることがあります。

動揺性めまい

自分の身体や周囲がグラグラと揺れているように感じるめまいです。歩く時にふらつきを感じることもあります。

その他のめまい

目の前が真っ暗になる「立ちくらみ(眼前暗黒感)」や、歩行時につまずいたり転びやすくなったりする「平衡失調」などがあります。

「めまい」の主な原因

「めまい」の主な原因

耳の病気

良性発作性頭位めまい症

起き上がる、寝返りを打つなど、頭を特定の位置に動かしたときに、回転性めまい動揺性めまいが起こる病気です。
身体の傾きを伝える「耳石」が三半規管に入り込み、リンパ液の流れが乱されることが原因と考えられています。「耳石」は加齢とともにはがれやすくなるため、高齢になると「良性発作性頭位めまい症」を発症しやすくなります。
めまいは数分間で治まり、頭を動かすと繰り返し起こります。吐き気や嘔吐を伴なうことがありますが、耳鳴りや難聴など耳の症状はあらわれません。


前庭神経炎

突然、激しい回転性めまい吐き気や嘔吐が起こる病気です。
原因は、平衡感覚をつかさどる前庭(ぜんてい)神経に炎症が起きて障害されるためと考えられています。
耳鳴りや難聴などの症状はあらわれません。大きな発作は1度だけですが、回復まで時間がかかり、めまいが治まった後もふらつきなどが長く続くことがあります。


突発性難聴

主な症状は突然起こる難聴耳鳴りですが、めまい吐き気などを伴う場合もあります。早く治療しないと耳の症状が残ってしまうことがあるため、早期発見・早期治療が重要です。
めまいを伴なう方や高齢の方は重症化しやすい傾向にあります。


メニエール病

突然激しい回転性のめまいが起こる内耳の病気です。
めまいとともに、耳鳴り難聴、耳閉塞感(耳が詰まったような感じ)などの症状があらわれることが多くあります。また、吐き気嘔吐、冷や汗、頻脈などを伴なうことも多いです。
めまいは繰り返し起こることが特徴で、発作を繰り返すうちに耳の症状が進行し、日常生活に支障をきたす場合があります。


脳の病気

脳卒中(脳梗塞・脳出血)

脳卒中では、めまいのほかに手足や顔のしびれ、麻痺(まひ)、舌のもつれ、物が二重に見える、激しい頭痛などの症状が出ます。緊急性が高いため、様子を見ずに至急救急車を呼ぶ必要があります。


椎骨脳底動脈循環不全

脳幹や小脳へ血流を送る「椎骨動脈」と「脳底動脈」という血管の血流が悪くなるとめまいが起こります。主な原因は動脈硬化による血管の狭窄、加齢や外傷による頸椎の変形などです。
一時的なめまいのほか、吐き気、手や腕のしびれ、物が二重に見えるなどの症状があらわれることもあります。


聴神経腫瘍

聴神経腫瘍のほとんどは良性で、軽いめまい、徐々に進行する難聴、耳鳴りなどの症状がみられます。腫瘍が大きくなると、顔に麻痺(まひ)が起こる「顔面神経麻痺」などの症状を引き起こします。


その他

高血圧低血圧などの血圧異常、糖尿病、不整脈、自律神経の不調、脱水症や精神的ストレス、強い緊張、うつ病など心の病気の症状の一つとして、めまいが引き起こされることがあります。
また、高齢の方はさまざまな病気を抱えていることが多く、別の病気を治療するために服用している薬の副作用によって、めまいやふらつきなどの症状が起こることもあります。

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ご高齢者の「めまい」の対処法

ご高齢者の「めまい」の対処法

ご高齢の方に多いめまいは、起立性低血圧脳卒中、椎骨脳底動脈循環不全、脱水などによるものです。
ご高齢者は、のどの渇きを感じにくくなることもあるので、暑い時期は、時間を決め、
こまめに水分を補うなどし、脱水症を予防することも大切です。

また、めまいの不快な症状は、生活の工夫や適度な運動、トレーニング、ストレス解消などで緩和できる場合もあります。対処法は原因によって異なりますので、主治医に相談してみましょう。

加齢によって血圧の調整機能が低下している高齢の方は、起立性低血圧によるめまいも多いため、急に立ち上がらないように気をつけましょう。

服用している薬によってめまいが起こる可能性もありますが、自己判断で薬の服用をやめるのは危険です。必ず主治医に相談しましょう。また、医療機関を受診するとき、薬局で薬を処方してもらうときは、お薬手帳を持参すると良いでしょう。

めまいのほかに以下のような症状がみられるときは、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。

  • ・手足がしびれる
    ・口の周りがしびれる
    ・舌がもつれる
    ・目がかすむ
    ・物が二重に見える
    ・意識が薄れる、意識を失う
    ・まっすぐ立って歩けない
    ・激しい頭痛     など

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めまいの陰に深刻な病気が隠れている場合も少なくありません。介護する方は、ご高齢者特有の症状や危険性、対処法などを知っておくと良いでしょう。

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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