通所型サービスの送迎とは

通所型サービスは日帰りで利用するため、施設ではご利用者様のご自宅から施設までの送迎を行っています。朝ご自宅にスタッフが送迎車でお迎えに伺い、夕方ご自宅までお送りするのが一般的です。

送迎サービスには、乗降時の介助も含まれています。また、ご利用者様がおひとり暮らしの場合やご家族が不在の場合などには、個別に必要性を判断し、送迎時に電気の消灯・点灯、 着替え、ベッドへの移乗、窓の施錠などの居宅内介助（一定の資格と経験が必要）を行うこともあります（※）。

※居宅内介助を行う際は、以下の点に注意する必要があります。
　・居宅サービス計画に位置づける
　・他のご利用者様を車内でお待たせしない
　・訪問介護とのすみ分けを明確にする

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通所型サービス送迎中の事故

交通事故

2019年（令和元年）、デイサービスの送迎車内で車いすに乗っていた方が亡くなるという交通事故が相次ぎました。
通所型サービスなどで使われる福祉車両は、スロープやリフト、車いすの固定装置を備えており、車いすごと乗り降りできるようになっています。シートベルトは「3点式」が基本ですが、ご高齢者の身体状況などによって3点式シートベルトをかけることが難しい場合もあり、福祉施設などで課題となっています。

また、通所型サービスの送迎業務は普通自動車第一種運転免許があれば可能（有料の場合は第二種運転免許が必要）なため、施設の介護職員等が送迎を担当することもあります。運転経験が少ない方や大きい車の運転に慣れていない方などは交通事故を起こす可能性が高くなります。

転倒事故

車いすを使用しているご利用者様等が、ご自宅の門から玄関までが砂利道のため職員が歩行介助をしていたところ、ふらついて転倒・骨折してしまう事故など、ご自宅と送迎車間の移動介助中の事故が発生することがあります。

階段や段差があるところでの介助や、玄関での靴の着脱介助をするときも転倒のリスクが高くなります。 また、踏み台やステップを使用して、送迎車に乗り降りするときに転倒してしまうケースがあります。

送迎車内の置き去り・車内放置

2010年（平成22年）、ご利用者様を送迎車内に置き去りにしていまい、熱中症で亡くなるという痛ましい事故が起きました。

送迎時の事故を防ぐためにできること

交通事故を防ぐために

・送迎車ならではの危険性や緊急時の対応方法などを知っておく
・定期的に送迎車両の安全講習会などを受ける
・ヒヤリハット事例を収集・分析して、送迎業務のマニュアルを作成する
・危険な場所を見つけたら「危険箇所マップ」をつくる

・車両の運転前点検を行う
・スロープやリフト、車いす固定装置、3点式シートベルトなどの正しい操作・装着方法を理解しておく
・車いすの固定後、シートベルトの装着後は必ず安全確認を行う

・介護職員が同乗する
・認知症の方も安心できる車内環境を整える
・送迎時間は余裕をもって設定する
・ご高齢者に負担のかかる急加速や急ハンドル、急ブレーキを避ける
・交通事故が起こりやすい夕暮れ時の運転に注意する

転倒事故を防ぐために

・ご自宅の危険な環境（段差・砂利道など）を確認し、一緒に改善を図る
・ご利用者様の心身状況を把握する
・ご利用者様を安全な場所まで送り届ける
・ご利用者様やご家族を焦らせない
・転倒のリスクが高い送迎車の乗降時は注意する

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送迎車内の置き去り・車内放置を防ぐために

・降車後の車内点検表、確認ステッカーなどを活用する
・ミラーなどで最後列シートが見えるようにする
・降車時に後部座席の点検を怠らない
・複数の職員で確認する

デイサービスのご利用者様の心身状況はさまざまです。また、その日の体調や気持ちの変化などにより、介助方法が変わることもあります。送迎の際にはご本人やご家族とコミュニケーションをとり、心身の状況を把握しておくことが大切です。

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