地域包括ケアシステムの「5つの構成要素」
出典:厚生労働省「平成27年度 老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進等事業」を加工して作成
「地域包括ケアシステム」を構成する「住まいと住まい方」「医療・看護」「介護・リハビリテーション」「保険・福祉」「介護予防・生活支援」の5要素は、よく「植木鉢」に例えられます。
植木鉢全体の土台となる「お皿」として、「本人の選択と本人・家族の心構え」があります。
ご本人が「介護が必要になった場合にどのような生活を送りたいか」を意思表示し、ご本人とご家族がそれに対する心構えを持つことが大切です。
住まいと住まい方
「鉢」のようにしっかりとしている必要があるのが、「住まいと住まい方」です。
ご高齢者のプライバシーと尊厳が十分に守られた住環境や、ご本人の希望する住まい方が確保されていることが、地域包括ケアシステムの前提となります。
介護予防・生活支援
ご本人が取り組む「介護予防」と、食事や買い物などのサービスや近隣住民の支え合いによる「生活支援」は、「葉(医療・介護・福祉)」が育つために必要な養分を含む「土」に例えられます。
医療・介護・福祉
住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるために、個人の抱える課題に合わせて専門職によって提供される「医療・看護」「介護・リハビリテーション」「保健・福祉」が「葉」に例えられます。
「植木鉢」と「土」があってこそ「葉(医療・介護・福祉)」が育ち、専門職が力を発揮できることを表現しています。
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地域包括ケアシステム構築の3つのプロセス
市区町村は、3年ごとに策定する「介護保険事業計画」に沿って、その地域に合った「地域包括ケアシステム」を作り上げていくことになります。
国は市区町村に対して3つの構築プロセスを示し、「PDCAサイクル」で進めていく必要があるとしています。
「PDCAサイクル」とは、「計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)」を繰り返す手法のことです。
① 地域の課題の把握と社会資源の発掘
「介護保険事業計画」策定のために、住民の日常生活に関するニーズ調査を行い、地域の実態を把握します。
また「地域ケア会議」を開催し、個別事例の検討を通じて高齢者のニーズや地域の課題などを把握し、社会資源を発掘します。
② 地域の関係者による対応策の検討
医療や福祉、地域の関係者などによる市区町村レベルの地域ケア会議等で、地域課題を確認し、対応策を検討します。
③ 対応策の決定・実行
対応策を決定し、「医療と介護の連携」「予防」「生活支援」「住まい」の分野で必要な基盤などを整備します。
▼関連リンク
厚生労働省「地域包括ケアシステム」
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。
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