障がいのある方の外出支援や介護などを行う「ガイドヘルパー」

ガイドヘルパーの種類

視覚障がい者(児)を対象とする「同行援護従業者」、知的・精神障がい者(児)を対象とする「行動援護従業者」、全身性障がい者を対象とする「全身性障がい者ガイドヘルパー」に分かれています。
障がいのある方の外出を支援する福祉サービスには、個別に支給決定が行われる「障害福祉サービス」と、市区町村が主体の「地域生活支援事業(移動支援事業)」があります。
「同行援護従業者」と「行動援護従業者」は「障害福祉サービス」として、「全身性障がい者ガイドヘルパー」は「地域生活支援事業」としてガイドヘルプサービスを提供します。


同行援護従業者(視覚障がい者ガイドヘルパー)

視覚障がいによって移動が著しく困難な方に、移動に必要な情報の提供や外出支援を行います。

【サービス内容(支援の範囲)】

・外出時における移動に必要な視覚的情報(代筆・代読を含む)の提供
・外出時における移動の援護や排せつ、食事などの介護
・その他の外出時に必要な援助

【対象となる方】

重度の視覚障がい者(児)
<身体介護を伴わない場合>
同行援護アセスメント票の基準を満たす方
<身体介護を伴う場合>
上記に加えて
① 障害支援区分2以上
② 障害支援区分調査項目のうち「歩行」にあっては「全面的な支援が必要」に認定または「移乗」「移動」「排尿」「排便」のいずれかが「支援が不要」以外に認定されている


行動援護従業者(知的・精神障がい者ガイドヘルパー)

自己判断能力が制限されている方が行動するときに、危険を回避するために必要な支援や外出支援を行います。

【サービス内容(支援の範囲)】

・行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護
・移動中の介護
・外出前後に行われる衣服の着脱介助など
・排せつ、食事などの介護、その他の行動する際に必要な援助

【対象となる方】

重度の知的障がい者(児)、精神障がい者(児)
以下のいずれにも該当する方
① 障害支援区分3以上
② 障害支援区分認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である


全身性障がい者ガイドヘルパー

全身性障がいによって移動が困難な方の外出支援を行います。マンツーマンのほか、グループ支援型、車両移送型などの対応があります。
※ 市区町村が中心となって実施する「地域生活支援事業」のため、サービス内容や支援方法、従業者の要件などは市区町村によって異なる場合があります。

【対象となる方】

障がいのある方などで、市区町村が外出時に移動の支援が必要であると認めた方

ガイドヘルパーになるには

ガイドヘルパーになるには

都道府県や政令指定都市、または都道府県の指定する機関などが実施する養成研修を修了することが必要です。費用等は実施機関によって異なります。

養成研修は、対象とする障がいにより「同行援護従業者養成研修」「行動援護従業者養成研修」「全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修」の3種類に分けられています。


(視覚障がい者)同行援護従業者養成研修

視覚障がいのある方の外出支援を行うためには、「同行援護従業者養成研修」の一般課程(20時間)を修了する必要があります。
事業所のサービス提供責任者「同行援護従業者養成研修」の応用課程(12時間)修了と移動支援事業に3年以上従事していることが必要です。
(介護福祉士などの資格保有者で実務経験のある方は、2021年3月31日までの経過措置が設けられています。)

カリキュラム

一般課程+応用課程 32時間(講義14時間+演習18時間)

一般課程(20時間) 応用課程(12時間)
・視覚障がい者(児)福祉の制度とサービス
・同行援護の制度と従業者の業務
・障がい・疾病の理解①
・障がい者(児)の心理①
・情報支援と情報提供
・代筆・代読の基礎知識
・演習(基本技能/応用技能)
・障がい・疾病の理解②
・障がい者(児)の心理②
・演習(基本技能/応用技能/交通機関の利用)


(知的・精神障がい者)行動援護従業者養成研修

知的障がい・精神障がいのある方の外出支援を行うためには、「行動援護従業者養成研修」の修了と直接処遇経験(知的障がい・精神障がい等)1年以上が必要です。
事業所のサービス提供責任者は、「行動援護従業者養成研修」の修了と、知的障がい者(児)は精神障がい者の直接業務に3年以上従事していることが必要です。
(介護福祉士などの資格保有者で実務経験のある方は、2021年3月31日までの経過措置が設けられています。)

カリキュラム

24時間(講義10時間+演習14時間)

講義(10時間) 演習(14時間)
・強度行動障がいがある者の基本的理解
・強度行動障がいに関する制度および支援技術の基礎的な知識
・強度行動障がいのある者へのチーム支援
・強度行動障がいと生活の組み立て
・基本的な情報収集と記録等の共有
・行動障がいがある者の固有のコミュニケーションの理解
・行動障がいの背景にある特性の理解
・障がい特性の理解とアセスメント
・環境調整による強度
・記録の基づく支援の評価
・危機対応と虐待防止


全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修

全身性障がいのある方の外出支援を行うためには、「全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修」や「ガイドヘルパー養成研修」などの修了が必要です。
(資格や経験のある方は、自治体によって研修科目が免除される場合もあります。)
研修やカリキュラムの名称は自治体、実施機関などによって異なりますので、受講前にご確認ください。

カリキュラム

16時間(講義12時間+演習4時間)

講義(12時間) 演習(4時間)
・ホームヘルプサービスに関する知識
・ガイドヘルパーの制度と業務
・障がい者(児)福祉の制度とサービス
・障がい者(児)の心理
・重度脳性まひ者等全身性障がい者を介護する上での基礎知識
・移動介護にあたっての一般的注意
・移動介助の方法
・生活行為の介護

参照:千葉県の移動介護従業者(ガイドヘルパー)カリキュラム



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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

障がいのある方の外出支援や介護などを行う「ガイドヘルパー」

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