障がいのある方の負担を軽減するための制度「特別障害者手当」

「特別障害者手当」は、心身重度の障がいがあるために常時特別な介護が必要な方に支給される手当です。
複数の重度の障がいがある方が在宅で介護を受けている場合は、申請できる可能性があります。今回は、在宅介護の経済的な負担を少しでも軽減するための「特別障害者手当」について解説します。

「特別障害者手当」とは

「特別障害者手当」とは

「特別障害者手当」は国の制度で、著しく重度の障がいのある方の精神的・物質的負担を軽減し、福祉の向上を図ることを目的に支給されるものです。

支給の対象者となる方

精神または身体に著しく重度の障がいがあり、日常生活で常に特別の介護が必要な在宅20歳以上の方 (20歳未満の障がい児は「障害児福祉手当」の支給対象になります)

障害の種類

・身体障害
・知的障害
・精神障害
・内部障害(心臓・呼吸器・じん臓・肝臓・血液など)
・その他(難病など)

▼関連リンク
厚生労働省「障害児福祉手当及び特別障害者手当の障害程度認定基準」



支給条件

・日本国内に住所を有していること
・重度の障がいのある方が施設(障害者支援施設・養護老人ホーム・特別養護老人ホーム等)に入所していないこと
・重度の障がいのある方が病院や老人保健施設等に3カ月以上継続して入院していないこと

※ 有料老人ホーム・グループホームなどは施設入所に該当しません。また、特別養護老人ホーム等に短期入所した場合も施設入所には該当しません。

所得制限

「特別障害者手当」には、所得制限が設けられています。
受給資格者(ご本人)と配偶者、扶養義務者の前年の所得が一定額を超える場合は支給されません。

特別障害者手当について


※1 所得額は、地方税法の都道府県民税についての非課税所得以外の所得等から、医療費控除、障害者控除および寡婦控除等の額を差し引いた額
※2 ここに掲げた収入額は、給与所得者を例として給与所得控除額等を加えて表示した額

▼出典
厚生労働省「特別障害者手当について」



支給額

月額 27,350円(2020年4月~)
※ 支給額は改定されることがあります。

「特別障害者手当」の申請

「特別障害者手当」の申請

特別障害者手当は、お住まいの市区町村の担当窓口(障害福祉係など)に申請する必要があります。申請をご検討の方は、支給要件や必要書類などについて、事前に相談しておくとよいでしょう。
障がいの程度については、医師が判定します。
診断書などの必要書類を提出すると審査が行われ、認定されれば特別障害者手当が支給されます。
支給月は原則として年4回(5月・8月・11月・2月)です。


申請手続きに必要なもの

・特別障害者手当認定請求書
・特別障害者手当所得状況届
・所定様式の診断書
・印鑑  
・手帳(身体障害者手帳など)をお持ちの方はその手帳
・ご本人(障がいがある方)名義の預金通帳
・マイナンバー(個人番号)が確認できるもの
・年金を受給している場合は年金証書
・所得証明書            など

申請手続きについて詳しくは、お住まいの市区町村の担当窓口にお問い合わせください。

特別障害者手当は「在宅」の方が対象で、「施設に入所していないこと」が支給条件になっていますが、有料老人ホームやグループホームなどは施設入所に該当せず「在宅」とみなされます。支給の対象になるか心配な方は、一度窓口に確認してみましょう。

▼関連リンク
厚生労働省「特別障害者手当について」


ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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