介護保険における「特定疾病」とは

「厚生労働大臣が定める疾病等」とは

「厚生労働大臣が定める疾病等」とは

介護保険の対象となる「特定疾病」のほかに、「厚生労働大臣が定める疾病等」というものがあります。「厚生労働大臣の定める疾病等」の場合は、訪問看護を受けることができます。

訪問看護の利用形態には「医療保険」と「介護保険」の2種類があり、要介護認定を受けている場合は「介護保険」による訪問看護を利用することになります。
しかし、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合は、要介護認定を受けて介護保険を利用している方でも「医療保険」による訪問看護を利用することになります。

「介護保険」の訪問看護には回数などの利用制限がありませんが、「医療保険」の訪問看護には基本的に「週3日まで・1日に1回・1カ所の訪問看護ステーションから」という利用制限があります。
しかし、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合は「週4日以上・1日に複数回・2カ所以上の訪問看護ステーションから」の利用も可能です。


厚生労働大臣が定める疾病等

  • ① 末期の悪性腫瘍
    ② 多発性硬化症
    ③ 重症筋無力症
    ④ スモン
    ⑤ 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
    ⑥ 脊髄小脳変性症
    ⑦ ハンチントン病
    ⑧ 進行性筋ジストロフィー症
    ⑨ パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度のものに限る。))
    ⑩ 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症およびシャイ・ドレーガー症候群)
    ⑪ プリオン病
    ⑫ 亜急性硬化性全脳炎
    ⑬ ライソゾーム病
    ⑭ 副腎白質ジストロフィー
    ⑮ 脊髄性筋萎縮症
    ⑯ 球脊髄性筋萎縮症
    ⑰ 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
    ⑱ 後天性免疫不全症候群
    ⑲ 頸髄損傷
    ⑳ 人工呼吸器を使用している状態

要介護(要支援)認定の申請について

要介護(要支援)認定の申請について

介護保険のサービスを利用するためには、要介護(要支援)認定の申請が必要です。
65歳以上の方(第1号被保険者)が対象ですが、老化に伴う特定疾病(16種類)が原因で介護(支援)が必要となった40歳以上65歳未満の方(第2号被保険者)も申請ができます。

申請者が第2号被保険者の場合は、主治医意見書の記載内容に基づいて、市区町村などに置かれる介護認定審査会が「特定疾病」に該当するかどうかの確認を行います。


要介護認定の流れ

① 申請

お住まいの市区町村に申請します。要介護認定にかかわる費用負担はありません。

② 認定調査・判定

訪問による認定調査や介護認定審査会による審査などが行われます。

③ 認定結果の通知

市区町村が要介護状態区分を認定します。申請日からおよそ1カ月程度で認定結果が通知されます。

④ サービスの利用

要介護または要支援に認定された方は、ケアプラン(介護サービス計画)を作成し、ケアプランに基づいた介護サービスを利用します。

※介護サービス自体は、申請日から利用することが可能ですが、認定されなかった場合は10割の負担となります。
要介護(要支援)認定の申請について詳しくは、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

▼関連記事
要介護認定とは?介護保険の認定調査を受ける際のポイント
「要支援」と「要介護」の違いは?どんなサービスが利用できるの?
図解でわかる!介護保険制度の仕組み


▼参考
厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」
厚生労働省「特定疾病にかかる診断基準」
難病情報センター

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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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