ますます期待が高まる介護ロボットの開発・普及推進について

2019/02/13

少子高齢化が進行する中、ご高齢者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ介護ロボットへの期待はますます高まっています。今回は、介護の現場で活躍する介護ロボットの種類や、国が推進する介護ロボット関連の施策などについてお伝えします。

介護ロボットとは

介護ロボットとは

ロボットの定義は、以下の3つの要素技術(センサー、知能・制御系、駆動系)を有する、知能化した機械システムとされています。

○情報を感知する(センサー系)
○判断する(知能・制御系)
○動作する(駆動系)

このうち、ロボット技術が応用され、利用者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ介護機器を総称して「介護ロボット」といいます。


介護ロボットの種類

介護ロボットの種類

移乗・移動支援
装着型パワーアシスト・非装着型の移乗アシスト介護ロボット・離床アシストロボット・歩行アシストカートなど
排泄支援
排泄予測デバイス・排便姿勢保持機器・自動排せつ処理装置など
認知症の方の見守り
見守りセンサー・非接触型徘徊見守りシステム・離床センサー・体動検知マットセンサーなど
コミュニケーション支援・認知症セラピー支援
コミュニケーションロボット(赤ちゃん型・人型など)・メンタルコミットロボットなど
機能訓練支援
歩行訓練支援機器・リハビリテーショントレーニングツールなど
その他
ネットワーク型お薬カレンダー(服薬支援)・体位変換支援ベッド(寝返り支援)など

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介護ロボットに関する主な施策

介護ロボットに関する主な施策

「ロボット技術の介護利用における重点分野」の策定・改訂

厚生労働省と経済産業省は、2012年(平成24年)に「ロボット技術の介護利用における重点分野」を策定し、その開発や導入などを支援しています。
「ロボット技術の介護利用における重点分野」は、2014年(平成26年)に改訂され、さらに2017年(平成29年)10月には1分野5項目(下表の太字項目)が追加されました。


ロボット技術の介護利用における重点分野(6分野13項目)

①移乗介助
○ロボット技術を用いて介助者のパワーアシストを行う装着型の機器
○ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器
②移動支援
○高齢者等の外出をサポートし、荷物等を安全に運搬できるロボット技術を用いた歩行支援機器
○高齢者等の屋内移動や立ち座りをサポートし、特にトイレへの往復やトイレ内での姿勢保持を支援するロボット技術を用いた歩行支援機器
●高齢者等の外出等をサポートし、転倒予防や歩行等を補助するロボット技術を用いた装着型の移動支援機器
③排泄支援
○排泄物の処理にロボット技術を用いた設置位置の調整可能なトイレ
●ロボット技術を用いて排泄を予測し、的確なタイミングでトイレへ誘導する機器
●ロボット技術を用いてトイレ内での下衣の着脱等の排泄の一連の動作を支援する機器
④見守り・コミュニケーション
○介護施設において使用する、センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
○在宅介護において使用する、転倒検知センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
●高齢者等とのコミュニケーションにロボット技術を用いた生活支援機器
⑤入浴支援
○ロボット技術を用いて浴槽に出入りする際の一連の動作を支援する機器
⑥介護業務支援
●ロボット技術を用いて、見守り、移動支援、排泄支援をはじめとする介護業務に伴う情報を収集・蓄積し、それを基に、高齢者等の必要な支援に活用することを可能とする機器

「ロボット新戦略」の策定

政府は、2014年度(平成26年度)にロボット革命実現会議を開催し、「ロボット新戦略」を策定しました。 介護分野については「移乗介助等に介護ロボットを用いて介護者が腰痛を引き起こすハイリスク機会ゼロを目指すこと」や「2020年の国内市場規模を500億円に拡大すること」などが目標として掲げられています。

介護ロボット導入支援事業(地域医療介護総合確保基金)

2015年度(平成27年度)から、介護業務の負担軽減や効率化に資する介護ロボットの導入費用の一部を助成しています。(補助上限額1機器30万円)

介護ロボット開発等加速化事業

2016年度(平成28年度)から、着想段階から現場ニーズの反映、開発中のアドバイス、効果的な介護技術の構築など、各段階で必要な支援を行うことにより加速化を図っています。

介護ロボットの開発・普及体制の強化

厚生労働省は、「現場のニーズに即した実用性の高い介護ロボットの開発」「介護ロボットによる生活の質の維持・向上」「介護者の負担軽減」を目指す政府方針の確実な実施に向けて体制を強化。2018年(平成30年)4月1日付けで「介護ロボット開発・普及推進室」を設置し、工学や介護・リハビリテーションなどの専門家9人を老健局参与(介護ロボット担当)に任命しました。



「ロボット大国」といわれる日本のロボットは、さらなる進化を遂げようとしています。介護分野では「介護は人の手により提供される」という基本概念を維持しつつ、ロボット介護機器の活用により、業務の効率化や省人力化、介護者の負担軽減などを目指す取り組みが進められています。

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。
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