2027(令和9)年4月1日から、技能実習制度にかわり、新たに育成就労制度が始まります。
今回は、育成就労制度の概要、介護分野の育成就労における固有要件、技能実習制度との違いなどについて解説します。
育成就労制度とは
「育成就労制度」は、介護などの人手不足分野(育成就労産業分野)で人材を育成し、人材を確保するための制度です。
生産性向上や国内人材確保のための取り組みを行っても人材確保が困難な産業分野での3年間の就労を通じ、特定技能1号水準の技能をもつ人材を育成します。
「育成就労制度」と特定技能制度の適正化等は、2027(令和9)年4月1日に施行される予定です。
介護分野の受け入れ見込み数(上限)は、育成就労外国人は 2028(令和10)年度末までの2年間で3万3,800人、1号特定技能外国人12万6,900人と合わせて16万700人となっています。
育成就労制度の目的
育成就労制度の目的は、日本の産業を支える人材を長期にわたって確保することです。
「育成就労制度」と「特定技能制度」に連続性を持たせ、日本で働く外国人がキャリアアップできる仕組みを目指しています。
育成就労制度が創設された背景
現行の技能実習制度には、低賃金や賃金不払い、制度の悪用、不十分な監督と管理など、さまざまな問題が指摘されています。また、国際的な人材獲得競争が進むなか、人手不足が深刻な日本は外国人に「選ばれる国」となることが重要視されています。
このような背景から、技能移転による国際貢献を目的とする「技能実習制度」を解消し、人材育成と人材確保を目的とする「育成就労制度」を創設されました。
介護分野の育成就労における固有要件
介護分野においては、育成就労制度の要件に加えて、固有要件が定められています。
転籍制限期間
育成就労制度では、同一の業務区分内に限り、ご本人の意向による転籍が一定要件のもとで認められます。
転籍制限期間(本人意向による転籍が認められるために就労を行う必要がある期間)は、分野ごとに1年から2年の範囲内で設定されていますが、介護分野においては2年です。
その理由は、対人支援サービスである介護は、利用者と信頼関係を築き、専門職としての知識、技術、倫理などを修得する必要があるためです。また、育成就労外国人が賃金の高い都市部に流出する恐れがあることから、人材確保のために転籍を制限しています。
その他の主な固有要件
| コミュニケーション能力の確保 | 〇1年目(入国時):「A2.2」 〇2年目以降:「A2.2」と「日本語学習プラン」 (「B1」を取得している場合は、日本語学習プランは不要) 〇育成就労終了時:「A2.2」と「介護特定技能評価試験(日本語)」 |
|---|---|
| 適切な育成体制の確保 | 〇事業所ごとに受入れ人数の上限あり (育成就労外国人の総数は常勤介護職員の総数を超えないこと) 〇育成就労外国人5名につき1名以上の育成就労指導員を選任(1名以上は介護福祉士等) 〇夜勤や緊急対応業務:利用者の安全確保と外国人保護のために必要な措置を講じる 〇日本語科目240時間以上(B1以上は80時間)、技能科目42時間以上の入国後講習 |
| 訪問介護への従事 | 〇介護職員初任者研修課程等修了者で、実務経験のある育成就労外国人のみ (研修、訓練、相談窓口設置など事業所の遵守事項あり) |
参考:厚生労働省「介護分野の育成就労における固有要件について」
技能実習制度はどうなる?
「技能実習制度」は、日本の人手不足分野での人材育成と人材確保を目的とする「育成就労制度」とは異なり、国際貢献のために日本から相手国へ技能を移転する制度でした。
2027年(令和9年)4月1日に「技能実習制度」は「育成就労制度」に改められますが、在留中の技能実習生には約3年間の経過措置が設けられています。
育成就労法の施行日(2027年4月1日)時点で技能実習を行っている方は、引き続き「技能実習」の在留資格で在留できます。
施行日より前に「技能実習計画」の認定と「在留資格認定証明書」の交付を受けた場合は、2027年6月30日までに入国する必要があります。
施行日前に申請した「技能実習計画」が施行日以降に認定された場合は、実習開始日が2027年6月30日以前、同日までに入国する必要があります。
施行日以降に「技能実習1号」を修了した方は「技能実習2号」への移行が可能です。
施行日時点で「技能実習2号」を1年以上行っている場合は、施行日以降でも「技能実習3号」に進めます。
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家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。
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