おいしく食べて快適に過ごすための入れ歯(義歯)のお手入れ

入れ歯(義歯)のお手入れ

入れ歯(義歯)のお手入れ

入れ歯を着脱するときは、体位を整えて頭部を安定させましょう。

入れ歯の着脱方法

●総入れ歯の入れ方

①まず上顎の入れ歯から入れます。入れ歯の内面をぬらしてから、前歯部分を指でつまみ、斜めにしてお口の中に入れます。入れ歯の床の中央部分を親指で押さえ、上顎の粘膜部分にゆっくり密着させます。
②次に下顎の入れ歯を入れます。入れ歯の内面をぬらしてから、前歯部分を指でつまみ、斜めにしてお口の中に入れます。両手の人差し指を左右の奥歯部分にあて、静かに押し込みます。
③上下の入れ歯がしっかりはまったことを確認してから、ゆっくりかみ合わせます。

●総入れ歯の外し方

①まず下顎の入れ歯から外します。前歯部分を指でつまんで少し押し下げ、奥歯部分を空気を入れるように浮かせて外し、斜めに取り出します。
②次に上顎の入れ歯を外します。前歯部分を指でつまんで少し押し上げ、奥歯部分を空気を入れるように下げて外し、斜めに取り出します。

※無理に着脱しようとすると口腔内を傷つけてしまうので、入れ歯を回転させるようにしましょう。

●部分入れ歯の入れ方

①クラスプ(金属のバネ)部分を両手の指でつまんでお口に入れます。
②お口の中をよく見ながら、鉤歯(クラスプをかける歯)に沿わせて、ゆっくり入れていきます。
③入れ歯がしっかりはまったことを確認してから、ゆっくりかみ合わせます。

●部分入れ歯の外し方

上顎の部分入れ歯
①人差し指の爪をクラスプにひっかけ、親指の腹を歯のかみ合う面に当てます。
②クラスプを下に動かして取り外します。

下顎の部分入れ歯
①親指の爪をクラスプにひっかけ、人差し指の腹を歯のかみ合う面に当てます。
②クラスプを上に動かして取り外します。

※クラスプが2つある場合は、両手を使って同じタイミングでクラスプを動かしましょう。
※小さな部分入れ歯は、お口の中に落とすと誤飲してしまう恐れがあるので注意しましょう。

入れ歯(義歯)の洗い方と保管方法

①入れ歯を落として壊さないよう、洗面台に水を張った容器を置きます。
②入れ歯専用ブラシを使い、流水下でやさしく磨きます。歯磨き粉を使いたい場合は、研磨剤入りの歯磨き粉ではなく、入れ歯専用のものを使うようにしましょう。
③汚れがつきやすい部分(人工歯と人工歯の間・部分入れ歯のクラスプなど)は念入りに磨きます。
④取り外した入れ歯は、水や入れ歯洗浄剤が入った専用容器で保管します。

※変形・変色の原因となる熱湯や漂白剤、乾燥は避けましょう。

粘膜や歯のケア

粘膜や歯のケア

入れ歯を取り外したら、粘膜や歯のケアを行いましょう。

総入れ歯の場合は、入れ歯を外して「ブクブクうがい」を行い、専用ブラシやスポンジブラシで歯ぐきと粘膜部分を清掃します。また、舌ブラシで舌の汚れも取り除きます。

部分入れ歯の場合は、残っている歯を磨きます。クラスプをかける鉤歯や入れ歯と接している歯は特に汚れやすいため、丁寧に磨きましょう。

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合わない入れ歯を使い続けていると、思わぬトラブルを招く恐れがあります。入れ歯の不具合やお口の痛みなどがあるときは、早めにかかりつけの歯科医院に相談しましょう。また、入れ歯の調子が良くても、定期検診を忘れずに受けるようにしましょう。

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ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

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