主に介護サービス事業所で、縁の下の力持ちとして働く介護事務。その仕事内容は多岐に渡っています。今回は、介護事務の1日の仕事内容や資格取得について解説します。
介護事務の仕事内容とは?
介護事務が働く職場は、デイサービスやショートステイ、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、訪問看護ステーションなどの介護サービス事業所が主になります。損害保険会社や保険請求審査機関などで働く人もいます。
主な仕事内容
・サービス事業所の受付や電話対応
・介護報酬請求業務(通称:レセプト)
・従業員のシフト管理や給与計算などの事務全般
・ケアマネジャーの業務のサポート 等
介護報酬請求業務とは、介護報酬を受け取るために必要な請求を行うことです。介護報酬の1割または2割をサービス利用料としてお客様に請求し、介護報酬の9割または8割を介護給付・予防給付として保険者である市町村に請求します(居住型施設などの利用に伴う食費などは負担割合が異なります)。
介護サービスにはさまざまな種類があり、項目ごとに点数が決められています。この点数に沿った形式で明細書(レセプト)を月に1度、パソコンの専用ソフトを使って作成します。
施設の運営と収入に関わるもので、ミスをすると介護報酬が正しく支払われず、施設の運営を圧迫する原因にもなりかねない、正確さを求められる業務です。
1日のスケジュール例)※デイサービス(通所介護)の場合
・9時~
出社後、ケアマネジャーや介護職員等とミーティングを行います。ミーティングではお客様の体調の変化や当日予定が変わってお休みの人がいるかなどを確認します。
・10~12時
受付や電話対応などを行いながら、介護報酬請求業務や従業員のシフト管理、給与計算などの事務全般を行います。
また、ケアマネジャーのサポートとして、他の事業所や関係機関と連絡を取り合ったりもします。
・12~13時
お昼休憩
・13~18時
午前に引き続き、事務作業等を行い、終業となります。
介護事務になるための資格
介護事務の資格は、全て民間資格です。代表的なものに「介護事務管理士」「ケアクラーク」「介護事務実務士」「介護保険事務士」「介護保険事務管理士」などがあります。試験は、「学科」と「実技」に分かれています。受験資格は設定されていないので、どなたでも受験することができます。
介護事務の資格は、医師や看護師のような「業務独占資格」ではありません。つまり、資格がなくても介護事務の仕事はできます。ただし、就職の際には、経験や介護保険制度に関する知識を求められることが多いようです。
介護事務に向いている人は?
受付業務や電話対応では、お客様に対して誠実に、そして柔軟に対応できる力が必要です。介護報酬請求業務は、正確さが求められ、何度もチェックする必要があり、細かい作業に耐えられる根気や慎重さが必要です。
また、介護報酬請求業務やケアプランの内容を理解するために、定期的に変更される介護保険制度をその都度正しく理解するための、学ぶ意欲が求められます。
介護事務の仕事は、事務の仕事だけではなく、ケアマネジャーや他のスタッフとのやり取り、また、お客様への対応をとおして、お客様のより良い生活を支えている実感も得られ、事業所の経営にもかかわるやりがいのある仕事でもあります。
社会福祉士資格保有のライター。「介護」を中心とした福祉分野で、執筆活動を続けている。
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