個別ケアの手法「ユニットケア」「グループケア」とは?

最近、介護施設において、「ユニットケア」や「グループケア」という言葉が多くみられるようになってきました。「ユニットケア」や「グループケア」とはどのようなものなのでしょうか。今回は、「グループケア」についての事例も交えながら解説していきます。

「ユニットケア」と「グループケア」

「ユニットケア」と「グループケア」

ユニットケアとは

「ユニットケア」では、少人数(おおむね10人以下)をひとつの生活単位(ユニット)として、施設内でいくつかのグループに区分け、専用の居住空間と専任の職員を配置し、小規模の生活単位でサポートしていきます。顔なじみのスタッフがサポートすることで、ご高齢者とスタッフの関係性がより深まり、きめ細やかなケアが行えます。

「ユニットケア」の大きな特徴は、居室がすべて個室で、個人のプライバシーが確保されていることです。介護も一人ひとりに合わせて行われるため、個性や生活リズムを尊重したケアが可能となります。


「グループケア」とは、「ユニットケア」との違い

「グループケア」とは、少人数の複数のグループに分けて、グループごとに生活をすることをいいます。
「ユニットケア」と「グループケア」の違いは、前者が制度化されて運営基準があるのに対し、後者は運営基準が示されていないことです。

「グループケア」では、建物の構造やサービスの種類にとらわれず少人数ごとにグループ分けし、個人を尊重したケアを目指します。また、「ユニットケア」のように定員基準はなく、身体状況やニーズ等様々な内容でグループ分けをします。

なお、施設によっては、「ユニットケア」で行っていた個別対応をさらに進め、個々の嗜好や心身状況などに応じて「グループケア」を行っているところもあるようです。

「グループケア」の目的とメリット

「グループケア」の目的とメリット

・ ご高齢者が日々生きがいを持ち、その人らしく生活できる
・ 個別ケアにより、ご本人のペースでゆったりと過ごせる
・ お一人おひとりのニーズにあったケアを行うことができる
・ 日々変化するご高齢者の体調や心理状態をより細かく把握できる
・ グループごとの外出支援などを積極的に行える

「グループケア」の事例

「グループケア」の事例

ここでは、「グループケア」でどのような介護が行われているのか、いくつかの事例をご紹介します。

共通の趣味を持った方でグループを作る

介護施設にはたくさんのご高齢者がいて、個々にさまざまな趣味や嗜好をお持ちです。歌がお好きな方もいらっしゃれば、草花がお好きな方もいらっしゃいます。

同じ趣味や嗜好を持った方々をひとつのグループにすることで、ご希望に応じたレクリエーションなどを楽しんでいただけます。

共通の身体状況の方でグループを作る

嚥下(えんげ)が困難な方や、歩行が困難な方など、共通の身体状況の方を同じグループにします。例えば、嚥下食が必要な方には共通のメニューを一緒に楽しんでいただく、歩行が困難な方には1日の生活の中にリハビリの時間を取り入れるなどの工夫をします。

このような生活プランを立てることで、個別対応が必要なお客様に、より安全で質の高いケアが行えるようになります。



ご高齢者の個性を活かせる「グループケア」は、多様化するニーズに対応できる取り組みのひとつといえるでしょう。
介護が必要になっても、できるだけ今まで通りの生活を営むことはとても大切です。「ユニットケア」「グループケア」に共通する個別ニーズの尊重が、ご高齢者の生活をより充実させ、生きる意欲につながることと期待されています。

ライター:たつや

30歳のとき、両足骨折の大けがをきっかけに介護の世界に飛び込んで、はや15年以上。介護福祉士と介護支援専門の資格を取得。日々、ご高齢者のお世話に携わりながら、ライター業務に励む日々を送っております。

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