健康寿命を延ばすために!ロコモティブシンドロームを予防しましょう

略して「ロコモ」と呼ばれる、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)。要介護や寝たきりのリスクを高めてしまうロコモを防ぐことは、健康寿命の延伸やQOL(生活の質)向上につながります。いくつになっても自立した生活を送るために、若い頃からロコモ対策をはじめましょう。

健康寿命を伸ばそう!ロコモチェック

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは

靴下を履くおじいさんのイラスト


ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、筋肉や骨、関節など運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のことです。

2007年に、日本整形外科学会が「ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)」という概念を提唱しました。
ロコモの原因として挙げられるのは、加齢等による筋力低下とバランス能力の低下、そして骨関節の病気(変形性関節症・骨粗しょう症など)です。ロコモが進行すると要介護や寝たきりになるリスクが高まり、認知症につながる恐れもあります。
40歳以上のロコモ(予備群を含む)の人口は4700万人と推定されており、その数は高血圧や糖尿病の人口を上回るほどです。「まだ若いから大丈夫」と思っている方も、下記にお心あたりはありませんか?

ロコモに関係する要因

・運動習慣のない生活
・やせ過ぎ・肥満
・活動量の低下
・痛みやだるさの放置
・スポーツのやり過ぎや事故によるケガ  など

日本人の平均寿命が男女とも80歳を超えた今、健康寿命を延ばすためにはロコモ対策が欠かせません。骨や筋肉が衰え始める40歳代になったら、ロコモ予防を心がけましょう。

ご自宅でも簡単にできる!ロコモのチェック方法

躓くご高齢者のイラスト

ロコチェック

「もしかしてロコモかな?」と思ったら、簡単なロコチェックをしてみましょう。下記のうち1つでも当てはまった方は、ロコモの可能性があります。

ロコチェック(7項目)
① 家の中でつまずく・すべる
② 片脚立ちで靴下がはけない
③ 階段を上るのに手すりが必要
④ 横断歩道を青信号で渡りきれない
⑤ 15分くらい続けて歩くことができない
⑥ 家事のやや重い仕事(掃除機の使用・布団の上げ下ろしなど)が困難
⑦ 2kg(1リットルの牛乳パック2個くらい)程度の買い物をして持ち帰るのが困難

ロコモ度テスト

ロコモ度テストで、定期的にご自身の移動機能(立つ・歩く・走る・座るなど日常生活に必要な「身体の移動に関わる機能」)を確認してみましょう。

「ロコモ度テスト」はこちら
https://locomo-joa.jp/check/test/ 

さっそく今日から!無理なく続けるロコモ予防

椅子を使って体操をするご高齢者

ご自身に合った「ロコトレ」を続けましょう

ロコチェックで1つでも当てはまったら、「片脚立ち」「スクワット」などのロコトレ(ロコモーショントレーニング)を始めてみましょう。

「ロコトレ」について詳しくはこちら
https://locomo-joa.jp/check/locotre/ 

今より10分多く身体を動かしましょう

運動は、少しずつでも毎日続けることが大切です。ご自身に合った方法で、気軽に楽しくロコモ予防をしましょう。
「早歩きをする」「階段を使う」「テレビを見ながらストレッチをする」など、たった10分多く身体を動かすだけでもロコモ対策になります。

さらに、お好きなスポーツや筋力トレーニングを取り入れると効果的です。「ひとりではなかなか続かない」という方は、地域の体操教室や介護予防教室などに参加されてみてはいかがでしょうか。

下記の「アクティブガイド(健康づくりのための身体活動指針)」も参考にしてみてください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpr1.pdf

骨や筋肉を強くする食事をとりましょう

食生活の改善もロコモ対策に有効です。運動器機能を保つために、毎日の食事で5大栄養素[たんぱく質・脂質・炭水化物(糖質)・ビタミン・ミネラル]をバランスよく摂りましょう。
淡白な味を好むご高齢者は、とくに肉・卵・乳製品が不足しがちです。また、食が細くなることで低栄養になってしまうこともあります。低栄養になると、ロコモの原因になる骨粗しょう症やサルコペニア(筋肉減弱症)を起こしやすくなるため注意が必要です。いろいろな食材を無理なく組み合わせて、ご高齢者が食べやすくなる工夫もしましょう。

「ご高齢者が食べやすい食事」についてはこちら
http://www.azumien.jp/contents/method/00001.html

・筋肉を強くする栄養素
筋肉を増やし、筋力を高めるために必要な栄養素は、必須アミノ酸が含まれるたんぱく質(魚・肉・卵・乳製品・大豆製品など)です。食品によってアミノ酸の種類や量が異なるため、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を含む食品をバランスよく食べることが大切です。また、たんぱく質の分解・合成を促すビタミンB6(魚・赤ピーマン・バナナなど)も一緒に摂取しましょう。

・骨を強くする栄養素
骨粗しょう症予防のために重要な栄養素は、骨をつくるカルシウム(牛乳・小魚・緑黄色野菜など)です。また、たんぱく質やビタミンD(干ししいたけ・鮭など)、ビタミンK(納豆・青菜など)も摂ることで骨が強くなります。骨の健康のために、マグネシウムやビタミンB6・B12、葉酸(B9)なども摂りましょう。



「もう歳だから」とあきらめず、できることから少しずつロコモ予防を始めてみませんか?体力やお身体の状態には個人差がありますから、ほかの方と比べて焦る必要はありません。ご自身のペースで無理をなさらず、楽しみながら取り組んでみてください。

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。

健康寿命を延ばすために!ロコモティブシンドロームを予防しましょう

Facebookページで
最新記事配信!!

あなたにおすすめの記事

介護の方法のおすすめ記事