訪問介護における通院・外出介助は介護保険の対象になる?

2018/01/31

居宅サービスのひとつである訪問介護は、介護保険法上「居宅において行うこと」とされています。では、居宅以外で行われる通院介助や外出介助は、介護保険の対象とならないのでしょうか。
今回は、訪問介護における通院・外出介助について、対応事例を交えながらわかりやすく解説します。

訪問介護サービスにおける外出介助

訪問介護サービスにおける外出介助

日常生活上の必要性が認められる通院や日用品の買い物等のための外出介助は、介護保険の対象となります。

外出介助として適切なサービス例

・通院(原則として病院内の介助を除く)
・日用品の買い物
・選挙の投票
・官公署への届出(原則として郵送できないものに限る)
・通所介護(デイサービス)事業所や介護保険施設の見学
・ご家族へのお見舞い(頻繁でない場合に限る)

日用品以外の買い物や外食等は日常生活上の必要性の範囲を超えるものとされ、介護保険の対象となりません。

しかし、散歩の同行については「自立生活支援のための見守り的援助(自立支援・ADL向上の観点から安全を確保しつつ、常時介助できる状態で行う見守り等)」に該当し、算定要件をすべて満たす場合のみ認められることがあります。

外出介助として不適切なサービス例

・日用品以外の買い物 ・外食
・通勤
・趣味嗜好にかかわるもの(ドライブ・カラオケ・観劇など)
・冠婚葬祭への出席(結婚式・法事・葬式・墓参りなど)
・地域行事への参加(お祭りなど)

通院・外出介助の対応事例

通院・外出介助の対応事例

乗降場までの移動や乗降、気分の確認、受診等の手続きなどの介助は居宅以外で行われますが、訪問介護の通院・外出介助として認められます。これは「居宅において行われる目的地(病院等)に行くための準備を含む一連のサービス行為」とみなされるためです。

事例①
声かけ・説明 → 居宅における目的地(病院等)に行くための準備 → 居宅から乗降場までの移動 → 交通機関への乗降 → 移送中の気分の確認 → 受診等の手続き

したがって、居宅を含まない目的地間の外出介助は介護保険の対象外となります。例えば、訪問介護員とバス停で待ち合わせをした場合や、病院から病院(調剤薬局を含む)までの移動のみの場合は、介護保険サービスとして算定できません。

ただし、居宅を発着地として、介護保険の対象と認められる複数の目的地に立ち寄る場合は、目的地間も含めて「一連のサービス行為」と認められることがあります。例えば、通院時に日用品の買い物を済ませた方が効率的で身体負担も軽いというような外出介助です。

事例②
居宅 → 目的地(病院等) → 目的地(スーパー等) → 居宅

訪問介護サービスにおける通院介助

訪問介護サービスにおける通院介助

医療機関への通院は、ご高齢者の病気の改善や健康維持のために欠かせない行為です。訪問介護における通院介助は、「居宅から病院」または「病院から居宅」という一連のサービス行為とみなされる場合にのみ認められます。

病院内での介助

院内介助は医療保険で提供されるべきサービスであるため、病院のスタッフが対応するのが基本です。
ただし、各保険者の判断により、ケアプランに位置づけた上で介護保険の対象となる場合があります。例えば、病院のスタッフが対応できず、心身状態や認知症により常に見守り・介助が必要なときなどです。

助受診中の待ち時

通院介助中の院内での単なる待ち時間や診療室内等での介助等は、サービス提供時間に含まれません。また、院内の付き添い行為のみを算定することはできません。

入退院する場合

入退院時の付き添いは、ご家族などが対応すべき範囲となるため、原則として訪問介護の対象外です。(ご家族の対応が難しいときは、その他のサービスを利用できることがあります)
なお、入院中に介護保険サービスを利用することはできません。入院中に利用した介護保険サービスは、全額自己負担になってしまうため注意が必要です。もし福祉用具(ベッド・車いす等)をレンタルしている場合は、基本的に事業者に返却することになります。入院時は、必ず担当のケアマネジャーに連絡しましょう。

通院・外出の際の移動手段

通院・外出の際の移動手段

徒歩や車いす、公共交通機関(バス・一般タクシー等)を利用しての通院・外出介助(移送中の気分の確認も含む)は、介護保険の対象となります。また、介護タクシーなどを利用できる場合があります。

交通費の負担

一般のバスやタクシー等の交通機関の利用料金は、ご利用者の負担となります。

介護タクシーとは

通称「介護タクシー」とは、訪問介護員(介護職員初任者研修以上)の資格を持つ運転手が、ご利用者の乗降や移動の介助をするタクシーのことです。
要介護1以上の方が対象で、必要性がある場合にケアプランに位置づけた上で利用できます。介護保険の対象となるのは乗降などの介助のみで、介護タクシーの運賃はご利用者の自己負担です。


<参考>
厚生労働省「人員・設備及び運営基準」及び「報酬算定基準」等に関するQ&A(介護サービス関係 Q&A集[PDF]



介護保険サービスの対象外であっても、介護予防・日常生活支援総合事業やボランティア事業、その他のサービスを利用できる場合があります。実際にはさまざまなパターンが考えられるため、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。

ライター:樋口 くらら
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。
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