訪問介護事業のキーパーソン「サービス提供責任者(サ責)」とは?

2017/12/27

たくさんの種類がある介護サービスのなかで、介護を必要とされる方の在宅生活を支えているのが訪問介護(ホームヘルプ)サービスです。訪問介護事業所には、訪問介護計画の作成や訪問介護員(ホームヘルパー)への指導などを行う「サービス提供責任者(サ責)」がいます。

今回は、訪問介護において重要な役割を担うサービス提供責任者について解説します。

サービス提供責任者の役割

サービス提供責任者の役割

サービス提供責任者(サ責)とは、訪問介護事業所において、サービスの品質管理や訪問介護員(ホームヘルパー)の労務管理・育成指導などの業務を行う職員です。

サービス提供責任者(サ責)は人員配置基準により、指定(介護予防)訪問介護事業所ごとに「利用者の数(前3ヵ月間の平均値)が 40 人またはその端数を増すごとに1人以上の者を配置」するものと定められています。(一定の要件を満たせば「利用者の数50人に対して1人以上」とすることが可能です。)

サービス提供責任者(サ責)の業務内容は、以下のように多岐にわたっています。


訪問介護計画書の作成

訪問介護サービスを受ける場合、主に担当ケアマネジャーがケアプラン(サービス計画)を作成します。サービス提供責任者(サ責)は、このケアプランをもとに、訪問介護サービスで解決すべきことを把握します。

また、お客様のご自宅を訪問し、ご本人の心身状況やご希望、生活環境などの情報を収集します。そして、課題の整理や目標の設定を行い、「訪問介護計画書」を作成します。訪問介護計画の作成に当たっては、お客様やご家族へ内容を説明したうえで同意を得ることが必要です。


訪問介護員(ホームヘルパー)の労務管理

訪問介護員(ホームヘルパー)の稼働管理やシフト調整も、サービス提供責任者(サ責)の大切な業務のひとつです。

サービス提供の開始に当たり、訪問介護員(ホームヘルパー)の能力や勤務可能時間、お客様との相性を考慮して、最適なスタッフを選びます。また、お客様宅間の移動時間や周辺の道路状況などを踏まえて、勤務スケジュールの作成もします。

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訪問介護員(ホームヘルパー)の育成指導

訪問介護員(ホームヘルパー)の研修や技術指導などを行います。また、訪問介護員(ホームヘルパー)に対して具体的な指示書を作成し、お客様の情報を伝達します。初回または定期的な訪問時には、訪問介護員(ホームヘルパー)に同行することもあります。

そのため、訪問介護員(ホームヘルパー)の悩みや不安に耳を傾けて、信頼関係を築くことが重要です。


多職種協働

一人のお客様が、訪問介護サービスだけを利用しているとは限りません。ショートステイ、デイサービス、訪問看護、訪問リハビリテーションなど、複数のサービスを同時に受ける場合もあります。

サービス提供責任者(サ責)は、ケアマネジャーが開催するサービス担当者会議(ご本人・ご家族・サービス担当者等が集まって話し合う会議)へ出席し、他事業所の専門職と連携を図ることが求められています。


その他の業務

サービス提供責任者(サ責)は、サービスを開始した後に、訪問介護計画のモニタリングを行います。そして、お客様の状態変化や計画されていないサービス依頼などが発生した場合は、担当のケアマネジャーに相談・報告をします。

お客様やご家族からのご意見や苦情、介護事故等にも対応します。なお、事業所によっては、サービス提供責任者(サ責)が介護業務や営業活動を行うところもあります。

サービス提供責任者(サ責)のやりがい

サービス提供責任者(サ責)のやりがい

サービス提供責任者(サ責)は、訪問介護事業所の運営において中核となる重要な存在です。
名称の通り「責任者」として他のスタッフを束ね、お客様に寄り添う支援をしていくことが最大のやりがいといえるでしょう。

また、お客様との関わりが中心の訪問介護員(ホームヘルパー)とは異なり、ケアマネジャーをはじめとする他職種と交流できます。自身が中心となって組み立てた支援内容を、仲間とともに作り上げていき、喜びを共有できることは大きな魅力です。

さらに、専門職としてさまざまな知識や経験を身につけることができます。介護技術だけではなく、事務や人材育成、営業活動など幅広い業務を体験できるサービス提供責任者(サ責)は、ケアマネジャーや事業所管理者へのステップアップも目指せます。

サービス提供責任者(サ責)になるには

サービス提供責任者(サ責)になるには

サービス提供責任者(サ責)になるためには、介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者(実務経験 3 年以上)などのいずれかの資格を保有する必要があります。
ただし、介護職員初任者研修修了者と訪問介護員養成研修 2 級課程修了者(H25.3で終了)のサービス提供責任者(サ責)を配置している事業所は、介護報酬の減算対象となります。(任用要件から廃止予定)

実際の現場では、介護福祉士を要件としているところがほとんどです。さらに、介護福祉士資格だけではなく、実務経験が求められる場合もあります。

サービス提供責任者(サ責)の業務は前述のように幅が広いため、資格だけではなくさまざまな知識やスキルが重要になります。
アセスメント力やモニタリング力はもちろん、複数の関係者の意向を調整する能力、他職種とチームケアを行う能力などが求められます。また、訪問介護員(ホームヘルパー)に的確な指示を出すためには、専門知識や介護技術、緊急時の対応力が欠かせません。



現在、国においては、団塊世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に「地域包括ケアシステム(地域の包括的な支援・サービス提供体制)」の構築を推進しています。このような社会の動きのなかで、地域のご高齢者を支えるサービス提供責任者(サ責)の担う役割はますます重要となっていくでしょう。

ライター:真っ赤なトマト

介護福祉士養成の専門学校を卒業後、特別養護老人ホームに介護スタッフとして7年間勤務する。施設ケアマネジャーや生活相談員などを経験して今に至る。資格は介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士、社会福祉主事任用資格などを取得している。

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