ご高齢者がかかりやすい感染症とその予防方法

2017/05/24

今回は、ご高齢者と介護者の健康を守るため、ご高齢者がかかりやすい感染症についての知識や予防方法について解説します。

ご高齢者がかかりやすい感染症

ご高齢者がかかりやすい感染症


ご高齢者がかかりやすい感染症には、主に下記のようなものがあります。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスに感染することで発症します。38℃以上の高熱や関節痛、筋肉痛などの症状が特徴です。ご高齢者など、免疫力が低い人がかかると重症化しやすいため、注意が必要です。

肺炎

肺炎の原因となる病原微生物は3つの種類に分けられます。
・細菌性肺炎(肺炎球菌などの細菌が原因で起こる)
・ウイルス性肺炎(インフルエンザウイルスなどウイルスが原因で起こる)
・非定型肺炎(マイコプラズマなどの微生物が原因で起こる)

ご高齢者に一番多いのは、ご自身の口腔内の細菌が肺に入って起こる誤嚥性肺炎です。ご高齢者は重症の肺炎でも、発熱や咳、喀痰などの症状が出ないこともあり、発見が遅れる場合があります。

結核

結核菌はあらゆる臓器に感染しますが、おもな病巣は肺で、免疫力が低いと全身感染症となります。微熱と寝汗が主な症状で、咳、痰、喀血、だるさ、胸痛などが出ることもあります。

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)

黄色ブドウ球菌が耐性化した病原菌がMRSAです。現在、院内感染が問題となっています。黄色ブドウ球菌は普段、私たちの鼻腔や咽頭、皮膚などからも検出される菌です。免疫力がある健康な人なら感染しても重症化しませんが、ご高齢者や重症患者など免疫力の低下した人が感染すると、肺炎や敗血症など重症化することがあります。

ノロウイルス

牡蠣などの二枚貝などに含まれ、十分な加熱をしなかったり、手や食器類にウイルスが付着したまま食事をすることで感染し、激しい嘔吐と下痢を起こします。非常に感染力が強く、感染者の便や嘔吐物に含まれ、空気中に飛び散ったウイルスを吸い込むなどしても感染します。

疥癬(かいせん)

ヒセンダニ(疥癬虫)が皮膚の角質層に寄生して発症し、手首や手のひら、指の間、おへそ周り、太ももの内側、陰部などに赤い発疹が出ます。ヒセンダニは夜間に活動的になるので、かゆみは夜間に強くなり、眠れなくなることもあります。介護施設や病院等での集団発生が問題になっています。皮膚感染症には、疥癬のほかに皮膚カンジダ症や白癬などがあります。

感染症予防のポイント(生活習慣など)

感染症予防のポイント(生活習慣など)


感染予防のポイントを、日頃からできることと感染者が発見された場合にすることに分けて説明します。

日常生活での予防

・手洗いとうがい
外出先から自宅や施設に帰宅した時、手洗いとうがいを行います。指や爪の間もしっかり洗いましょう。

・からだを清潔に
身体はもちろん、口腔や陰部は汚れがたまりやすいので、特に清潔に保つよう心掛けます。

・十分な睡眠と栄養
体調を崩すと感染症への抵抗力が落ちます。十分な睡眠と栄養をとるようにしましょう。

・予防接種
毎年流行するインフルエンザは、医師と相談のうえ予防接種を受けましょう。効果は接種後1~2週間ほどかかりますので、流行前に接種するようにしましょう。ご高齢者だけでなく、ご家族や介護者も接種するようにしましょう。

感染者発見後、感染経路とそれに沿った予防

・咳やくしゃみなどで飛んだ飛沫から感染する飛沫感染
風邪やインフルエンザ、肺炎球菌などが飛沫感染で感染します。感染者に近づかない、感染者を含めマスクを使用するなどして予防します。

・触って感染する接触感染
疥癬などの皮膚感染症などは感染者の患部に直接触ることで感染します。感染源に触れた手や器具、タオルなどを介したり、風邪などで感染者の口から飛んだしぶきが付いた皿やコップを使用したりすることでも起きる媒介物感染もあります。手洗いや手指の消毒が基本になります。タオルなどの共有は控え、感染の可能性があるものは素手で触らずケアのときも手袋やエプロンを使用します。

・同じ空間にいることで感染する空気感染
結核などの病原体は、感染者と同じ空間にいるだけで感染することがあります。感染者は隔離し、同じ空間にいた人は検査を受ける必要があります。

介護者の感染予防対策

手袋やエプロンの使用

介護の際に、血液や体液に触れる可能性がある場合は、手袋やエプロンを使用しましょう。ご高齢者にひどい咳や痰の症状があるときには、マスクをつけます。

手洗いやうがい

介護の前後の手洗いは徹底します。特に調理や食事介助をするときはしっかり手洗いをします。手袋をつけてケアした場合も、手袋をはずしたあと必ず手洗いをします。ご高齢者が咳をしている場合は、介護者も念入りにうがいをしましょう。



ご高齢者は感染症になると重症になり回復に時間がかかることもあるため、何よりも予防が重要です。「いつもより寝ている時間が長いな」「食欲がないな」「声に元気がないな」など、感染が考えられるような、ご高齢者の普段と違う様子に気づいたら、早めの受診を心掛けましょう。
そのためには、日頃のご高齢者の体調を観察し、小さな変化にも気づくことが大切です。

ライター:山下 優子
社会福祉士資格保有のライター。「介護」を中心とした福祉分野で、執筆活動を続けている。
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