図解でわかる!介護保険制度の仕組み

2016/05/25

介護保険制度とは、そもそもどのような制度なのでしょうか。
今回は「介護保険制度の仕組み」を、図を交えつつ、分かりやすく解説していきます。

介護の担い手が、家族から社会へ

介護の担い手が、家族から社会へ

介護保険制度が誕生した背景

介護保険制度ができる前までの日本の社会福祉制度は、国や市町村が一方的にサービスを提供する「措置制度」で、利用者に選択権はありませんでした。措置制度は身寄りのないご高齢者や低所得者が対象で、中間層以上の家庭にとって、ご高齢者の介護は家族の役割だったのです。

しかし、少子高齢化や核家族化、単独世帯の増加等による家族の形の変化、女性の社会進出の影響もあり、介護を家族だけでは支えきれなくなってきました。
そして、家庭で介護できないことなどを理由に、入院の必要性の低いご高齢者が、長期間入院する「社会的入院」も社会問題となっていました。

そこで、社会全体でご高齢者と家族を支える仕組みとして、2000(平成12)年に誕生したのが、介護保険制度なのです。

ご高齢者の「自立生活の促進」を掲げている

介護保険法はその第1条で、ご高齢者が介護が必要になっても「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行う」とあり、すべてのご高齢者の「自立生活の促進」を掲げているところが特徴です。

また、介護保険制度では、ご利用者が、どの事業者からどのサービスをどのくらい受けるか、定められた範囲内で選べるようになりました。ご利用者が主体性をもち、サービスを選択し、事業者と契約を交わして利用する方式になったことは大きな変化でした。

世界で類を見ないスピードで高齢化が進む日本。介護保険制度は、制度を維持・改善するための改正が定期的に行われています。
2000(平成12)年のスタート後、2005(平成17)年、2008(平成20)年、2011(平成23)年に、そして直近では2014(平成26)年に改正されました。

介護保険制度の仕組み

介護保険制度の財源

介護保険では、被保険者(その保険に加入している人)は一律に受けた介護サービスの1割(2割)を負担し(一律1割負担でしたが、2014年の改正で高額所得者については2割負担になりました)、残りの9割(8割)は介護保険財政から支払われます。

介護保険の財源は、税金などの公費と保険料の半分ずつでまかなわれます。保険料は、被保険者から徴収されます。

介護保険の被保険者は、40歳以上の人で、その中でも65歳以上のすべての国民である「第1号被保険者」40~64歳の医療保険加入者である「第2号被保険者」に分かれます。

介護保険制度の基本的な仕組み(イメージ図)

図解でわかる!介護保険制度の仕組み

介護保険制度を運営する「保険者」は、市区町村です。介護保険を受けるには、保険者によって、要介護認定または要支援認定を受けることが必要です。

認定は7段階に分かれて行われます。
「要支援1・2」は、予防的に援助が必要、または日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態で、「要介護1~5」は常時介護を要すると見込まれる状態をいいます。それぞれ、数字が大きいほど介護の必要性が高くなります。

第2号被保険者の場合には、要介護状態の原因が介護保険法に定める加齢に伴う特定疾病であることが必要です。特定疾病は、末期のがんや関節リウマチなどの16疾病が指定されています。

申請から認定されるまでの流れ

要介護認定または要支援認定を受けるには、ご利用者(本人または家族)が申請する必要があります。
申請から認定されるまでの流れは次のようになります。

介護保険の申請から認定されるまでの流れ


このように介護保険制度は、介護の必要性を要介護認定で測り、すべてのご高齢者に自立した生活を求めるという、今までにない制度です。

他国に類を見ないスピードで高齢化が進むなか、走りながら修正を加えており、次々と中身が変わってわかりにくいという批判もあります。しかし、この制度を国民一人ひとりが理解して、さらに良くする努力が「国民の幸せな老後のため」には欠かせません。

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ライター:山下 優子
社会福祉士資格保有のライター。「介護」を中心とした福祉分野で、執筆活動を続けている。
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